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社保審医療保険部会 医療保険制度改革法案概要了承 今週中にも与党内手続き、通常国会提出へ

公開日時 2015/02/23 03:50

社会保障審議会医療保険部会(部会長・遠藤久夫学習院大学経済学部教授)は2月20日、今通常国会に提出する医療保険制度改革関連法案の概要を了承した。これを受け、厚生労働省は、自公両党の党内手続きを経て、早ければ今週中にも法案提出の閣議決定に持ち込みたい考えだ。


法案の名称は、「持続可能な医療保険制度を構築するための国民健康保険法等の一部を改正する法律案」。国民健康保険に対し、年間約3400億円の財政支援の拡充を行うことで、財政基盤を強化にするほか、都道府県が国保の財政運営の責任主体となる。都道府県が、地域医療構想を含む医療計画の策定とともに、国民健康保険の財政運営の主体となることで、各地域における最適な医療提供体制を構築。地域包括ケアの実現を目指す。


各都道府県は、医療費の水準や効率的な医療提供体制の推進などを示した医療費適正化計画を策定することになる。計画は、超高齢化社会の到来を鑑みて最適な医療提供体制の絵を描いた“地域医療構想”と整合的なものとすることも求めた。計画の指標は、現行の特定健診・保健指導実施率、平均在院日数を見直すとともに、後発医薬品の使用割合なども追加する。医療費の目標が実績と乖離した場合には、要因分析とともに、要因解消に向けて関係者との協力のもと必要な対策を講じることを求めた。計画期間は1期6年間。


医療費の目標について最終的な法案では、「医療に要する費用の見込み(国の医療に要する費用の目標)」と表記するにとどまった。前回の社保審で提示された医療保険制度改革骨子案では、「地域医療構想と整合的な目標(医療費の水準、医療の効率的 な提供の推進)」とされていたが、全国知事会連合の福田 富一委員から、目標と明記することについて、「医療資源の多寡、診療報酬が占める要素が大きい。都道府県は結果責任を負うことが困難」と強い反発があったことを受け、この形となった。


一方で、後発医薬品の使用割合や前期高齢者一人当たり医療費、保険料収納率などの目標値を上回り、医療費の適正化に向けた取り組みなどを行った自治体に対しては財政支援制度「保険者努力支援制度」を創出する。予算規模は、700〜800億円。


そのほか、特定機能病院については、2017年度から外来の機能分化を進める観点から、紹介状なしでの受診時には原則として、5000〜1万円の定額負担を求める。これに伴い法案では、特定機能病院の位置付けを明確化。「患者の病状その他の事情に応じた適切な他の保険医療機関を患者に紹介すること、その他の保険医療機関相互間の機能の分担および業務の連携のための措置」を講ずることを求めた。
 

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