米BMS 抗PD-1阻害剤・ニボルマブ NSCLC皮切りに適応拡大で競争力
公開日時 2014/12/02 03:50
米・ブリストル・マイヤーズ スクイブ(BMS)は、免疫チェックポイント阻害剤Opdivo(日本製品名:オプジーボ、一般名:ニボルマブ)について適応拡大を通じ、競争力を高める考えだ。同剤は、ニボルマブは、抗PD-1(Programmed Cell Death-1)阻害剤というクラスの薬剤。難治性扁平上皮非小細胞肺がん(NSCLC)を皮切りに、多形性膠芽腫、頭頸部がん、ホジキンリンパ腫、非ホジキンリンパ腫、肝細胞がんおよび膀胱がんなど広範囲な適応で試験を実施、計画を進める。BMSのMichael Giordano腫瘍開発部長が投資家対象の会合で明らかにした。
NSCLCをめぐっては、臨床第2相試験「Checkmate-063」で良好な結果を示したことから、肺がんの組織型に対応、あるいは併用など含め、肺がんで10本の臨床試験を実施している。
Giordano腫瘍開発部長は、「免疫腫瘍学の見地から、多種多様な腫瘍からシグナルが送り続けられてきている」と話し、幅広い患者集団に免疫療法を提供することを目指す考えを示している。BMSは、CTLA-4阻害剤・Yervoy(一般名:イピリムマブ)により、がん免疫療法分野での先行するリーダーとなったが、今後もその立場を維持する姿勢を示していると言える。
証券会社Leerink SwannのアナリストSeamus Fernandez氏は、「BMSは高い企業価値を持つ。同社の免疫腫瘍学におけるリーダー的地位とR&D実行力は他のビッグファーマよりも優れているからだ」と評価している。さらに、BMSは、競合他社よりも早く、かつ免疫療法開発に多額の投資を行ってきたと話す。
カナダの投資顧問会社Morningstar ResearchのアナリストDamien Conover氏は、肺がん市場は免疫チェックポイント阻害剤にとっては、大きな見返りのある市場だと見通している。同氏によると、肺がん市場は22年までに180億ドルに達し、その多くは免疫療法による市場になるとしている。
Opdivoは、7月に日本において世界で初めて承認された抗PD-1阻害剤となったが、米国では、黒色腫を適応としたメルクのKeytruda(一般名:ペンブロリズマブ)に先を越された。Opdivoは、FDAのユーザーフィーデート(審査完了予定日)を2015年3月30日として優先審査の対象となったことに加え、画期的新薬の指定も受けている。
(The Pink Sheet 11月17日号より)