22年市場予測 乾癬治療薬は13年比で3倍に にきび治療薬は2.5倍に 富士経済調べ
公開日時 2014/11/17 03:52
富士経済はこのほど、乾癬治療薬と、にきび治療薬の2022年の市場予測をまとめ、乾癬治療薬市場は13年比で市場規模が3倍に、にきび治療薬市場は同2.5倍になると分析した。乾癬治療薬市場は10年に乾癬の適応を取得した生物学的製剤が登場して以来、市場は拡大し続けており、また今後も新たな生物学的製剤の登場が見込まれることから、「大幅な拡大が期待される」としている。にきび治療薬市場は、疾患啓発活動に伴う潜在患者の掘り起こしと受診率向上が市場拡大に追い風になるとしている。
同社によると、乾癬治療薬市場の13年の市場規模は210億円、14年は233億円(前年比11.0%増)が見込まれるという。22年には652億円の規模になり、13年実績比で3.1倍になる。同市場は09年まで伸び悩んでいたが、10年に関節リウマチなどに用いるレミケードやヒュミラといった生物学的製剤が乾癬の適応を取得、11年発売の生物学的製剤ステラーラも「市場拡大の契機になった」としている。
22年に向けて既存品と開発中の生物学的製剤が市場を大きく拡大させるとしているが、同社の公表資料では開発品名を明らかにしていない。そこで、ミクス編集部が今夏にまとめた開発品リストから、乾癬関係の適応で開発中の生物学的製剤をピックアップしてみると、ノバルティスのセクキヌマブが申請中になっているほか、▽ixekizumab(日本イーライリリー)▽tildrakizumab(MSD)▽KHK4827(協和発酵キリン)▽トファシチニブクエン酸塩(ファイザー、製品名ゼルヤンツ)――が開発後期にある。
にきび治療薬市場は、13年の市場規模は87億円、14年は93億円(6.9%増)になる見込み。そして22年には220億円まで拡大すると分析している。にきびは潜在患者数が多いものの、機能性化粧品やOTC医薬品などでセルフケアを行う患者が少なくないため、同社は「啓発による受診率向上の余地が大きい疾患」としている。
同市場では08年に新規機序の外用薬ディフェリンが発売され、疾患啓発活動も活発に行われたこともあって市場は成長した。現在もディフェリンが市場のけん引役だが、ディフェリンに外用抗菌薬のアクアチムやダラシンTが併用で用いられていることも市場拡大に寄与していると分析している。
以下の関連ファイルから、乾癬治療薬とニキビ治療薬の市場推移の図がダウンロードできます(無料)。