12年度国民医療費は39.2兆円 1.6%増
公開日時 2014/10/09 03:50
厚労省が10月8日に発表した2012年度国民医療費によると、総額は39兆2117億円で過去最高となったが、11年度より1.6%と低い伸びだった。伸びの主な原因は1人当たり医療費が高い高齢者の増だが、12年度は診療報酬改定がプラス0.004%のほぼ横ばいだったほか、平均在院日数の減少傾向などもあって低い伸びになったとみられる。
12年度国民医療費のうち、3割を占める後期高齢者医療給付分は12兆6209億円で、伸び率も3.0%増と全体の倍近くに上り、医療費を押し上げている格好だ。
医療費総額のうち7割は入院や外来に用いられる医科診療医療費で28兆3198億円(1.8%増)。うち入院は14兆7566億円(2.7%増)、外来は13兆5632億円(0.9%増)と、入院の方が高い。
薬局調剤医療費は6兆7105億円で、1.2%増と低い伸びにとどまった。同医療費はおおむね5%以上の伸びを示す傾向にあるが、医薬分業が伸びが鈍化していることや12年度薬価改定が影響したとみられる。
傷病別に費やされた医療費を見ると、最も多いのが医科診療医療費の2割を占める循環器系疾患で、額にして5兆7973億円だが、伸び率は0.1%。循環器系疾患に次いで多いのは新生物で、額にして3兆8120億円で4.8%の高い伸びを示した。その伸びは65歳以上の高齢者患者が後押ししている。