MSDの抗PD-1抗体pembrolizumab 進行性胃がんP1bで抗腫瘍効果 悪性黒色腫や非小細胞肺がんP2も進行中
公開日時 2014/10/08 03:50
MSDは10月7日、開発中の抗PD-1抗体pembrolizumabについて、日本も参加した進行性胃がんの国際共同第1b相臨床試験(P1b)で全奏効率31%の抗腫瘍効果が示されたと発表した。今後P2が開始される予定。同薬については悪性黒色腫および非小細胞肺がんでも日本が参加する国際共同P2が進行中となっている。
今回発表されたP1bの対象はPD-L1陽性腫瘍を有する進行性胃がん患者39例。Pembrolizumab(10mg/kg)を2週間毎に単独投与したところ、全奏効率31%、病勢コントロール率43%の抗腫瘍効果が認められた。薬剤との関連性が否定できない重篤な有害事象として低酸素症や肺臓炎、末梢性感覚神経障害が1例ずつ報告され、低酸素症を来たした症例については死亡が確認されている。
Pembrolizumabは、PD-1とそのリガンドPD-L1およびPD-L2との相互作用を阻害するヒト化モノクローナル抗体。PD-L1受容体に結合して抗腫瘍免疫応答を含むPD-1経路を介する免疫応答の阻害を解除する。
同薬については膀胱(尿路上皮)がんやトリプルネガティブ乳がん、進行性頭頸部がんでも開発が進んでいるが、日本での開発の是非については開示されていない。米国では「breakthrough therapy」(画期的新薬)の指定を受け、9月4日に「ipilimumabおよびBRAF V600遺伝子変異陽性の場合はBRAF阻害薬による治療歴のある進行中の切除不能または転移性悪性黒色腫」の適応で承認されている。