バイエル薬品 硝子体内注射液アイリーアの適応拡大で承認申請 網膜静脈分枝閉塞症に伴う黄斑浮腫で
公開日時 2014/09/10 03:52
バイエルヘルスケアは9月4日、バイエル薬品(日本法人)が滲出型加齢黄斑変性などに用いる硝子体内注射液アイリーア(一般名:アフリベルセプト)について、網膜静脈分枝閉塞症(BRVO)に伴う黄斑浮腫に関する適応で承認申請を行ったと発表した。同薬は、滲出型加齢黄斑変性および網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫の適応で発売されている。病的近視における脈絡膜新生血管の適応についても薬食審部会で承認が了承されているほか、糖尿病黄斑浮腫についても承認申請が行われており、今回の申請で5つ目の適応となる。
申請の根拠となった第3相臨床試験は、日本と北米の約60施設で実施された。BRVOに伴う黄斑浮腫を有する患者をアイリーア投与群とレーザー光凝固群にランダムに分け、二重遮蔽で52週間追跡したところ、主要評価項目の視力改善指標がアイリーア投与群で有意に改善した。実薬群で見られた有害事象は結膜出血と眼痛で、重篤な有害事象の発現率は両群とも1割程度だった。
BRVOは、網膜の主要な血管から枝分かれした静脈の1つまたは複数が閉塞した状態。血管内皮増殖因子が分泌されて網膜浮腫が起こり、視力障害の原因となる。国内の推定罹患率は40歳以上の約2%とされる。