新薬が9月2日に薬価基準に収載され、ヤンセンファーマとアストラゼネカが共同販促する去勢抵抗性前立腺がん治療薬ザイティガ錠など5製品が同日に発売された。既に5製品が販売されているSGLT2阻害薬は今回1製品が収載され、田辺三菱製薬と第一三共が共同販売するカナグル錠が3日に発売される。ほか、当局と薬価が折り合わず春の発売が延期されていた鳥居薬品のスギ花粉症減感作療法薬シダトレンスギ花粉舌下液の発売日は10月8日と発表された。
発売日が確認できた製品は次のとおり(カッコ内は成分名、販売・販促会社名)。
【9月2日発売】
▽ザイティガ錠250mg(アビラテロン酢酸エステル、ヤンセンファーマ、アストラゼネカが共同販促):効能・効果:「去勢抵抗性前立腺がん」
薬価:1錠3690.90円(1日薬価:1万4763.60円)
同じ適応の薬剤としては、5月にアステラス製薬が発売したイクスタンジカプセル(エンザルタミド)がある。
▽ジャカビ錠5mg(ルキソリチニブリン酸塩、ノバルティスファーマ)
効能・効果:「骨髄線維症」
薬価:1錠3706.80円
国内推定有病者数約1500人という希少がんの薬剤。
▽ビプリブ点滴静注用400単位(ベラグルセラーゼ アルファ遺伝子組換え、シャイアー・ジャパン)
効能・効果:「ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫および骨症状)の改善」
薬価:1瓶30万0146円
ピーク時の予測投与患者数30人の希少疾患の薬剤。
▽オプジーボ点滴静注20mg、同100mg(ニボルマブ遺伝子組換え、小野薬品)
効能・効果:「根治切除不能な悪性黒色腫」
薬価:
20mg2mL1瓶15万0200円
100mg10mL1瓶72万9849円
希少がんの薬剤で、根治切除不能な悪性黒色腫に対する治療選択肢の一つとして臨床的意義があると評価された。
▽クレナフィン爪外用液10%(エフィナコナゾール、科研製薬)
効能・効果:「皮膚糸状菌(トリコフィトン属)による爪白癬」
薬価:10%1g1657.50円
爪真菌症での外用薬は初。
【9月3日発売】
▽ニシスタゴンカプセル50mg、同150mg(システアミン酒石酸塩、マイラン製薬)
効能・効果:「腎性シスチン症」
薬価:1カプセル
50mg215.90円
150mg571.10円
ピーク時の予測投与患者数6人の希少疾患の薬剤。
▽カナグル錠100mg(カナグリフロジン水和物、田辺三菱製薬、第一三共が共同販売)
効能・効果:「2型糖尿病」
薬価:1錠205.50円(1日薬価:205.50円)
腎臓の近位尿細管で糖を再吸収するナトリウムグルコース共輸送担体2(SGLT2)を選択的に阻害し、過剰な血糖を体外に排出する。
【10月8日発売】
▽シダトレンスギ花粉舌下液200JAU/mLボトル、同舌下液2000JAU/mLボトル、同舌下液2000JAU/mLパック(標準化スギ花粉エキス原液10000JAU/mL、鳥居薬品)
効能・効果:「スギ花粉症(減感作療法)」
薬価:
200JAU/mL 10mL1瓶421.10円
2000JAU/mL 10mL1瓶1006.60円
2000JAU/mL 1mL1包100.80円
減感作療法を目的とした舌下液は初めて。スギ花粉から抽出したアレルゲンを直接舌下に滴下することで、アレルゲンに対する過敏性を減少させる。治療期間は毎日投与で3~5年という。
なお、今回薬価収載されたバイエル薬品のミレーナ52mg(薬価:1個2万6984.30円)は、「月経困難症」「過多月経」の適応症で処方された場合において同日から保険適用された。