【World Topics】ロビン・ウィリアムス自殺の波紋
公開日時 2014/08/25 03:50
エポックメーカーのコメディアンにして個性派の映画俳優、映画の脚本家としてもプロデューサとしても成功をおさめていたロビン・ウィリアムスが自殺し、あれほどの成功もうつには勝てないのか・・・と全米に衝撃を与えた。
2011年には平均毎日108人(年間合計39,000人)が自殺で命を落としている。自殺はこの年の死亡原因の第10位で、乳がんによる死亡者よりも、交通事故による死亡者よりも、殺人事件の被害者よりも多かった。ちなみに02年の自殺者総数は約30,000人であったから、自殺者はかなり急激に増加している。
中でも大きな問題となっているのは退役軍人の自殺である。2011年108人/日の自殺者のうち、22人が退役軍であった。最近の調査によれば、イラク・アフガニスタンで兵役に従事した退役軍人の半数が「身近に自殺を試みた友人・知人がいる」と回答しており、40%が「友人・知人が自殺した」経験を有しているというのだ。
予防策の必要性が絶えず訴えられてきたが、自殺者が死を選ぶ理由、手段、場所等はあまりにも多種多様であり、予防策を講じることは難しい。
一般に、自殺の場合、他の原因による死亡よりも遺族の衝撃や悲しみが深い場合が多く、そのため遺族の間でさえも詳しい事情や経験が語られることが少ないと言われており、そのために、情報共有がされにくく、予防策を講じることが困難になっている。
だが、最近の新しいメディアがこうした状況を変えつつあるようにも見える。ロビン・ウィリアムスの自殺をめぐって、人々はTwitterやFacebookで互いの想いや感情を吐露し、悲しみを共有し、慰めあい、支えあっている。ビッグデータの解析は膨大なテキストデータの解析も可能にしている。自殺防止に向け、ソーシャルメディアの効用が(負の影響を含め)解析される日も近いことと思われる。