米FDA COPD治療薬Striverdi Respimatを承認
公開日時 2014/08/08 03:50
米食品医薬品局(FDA)は7月31日、独ベーリンガーインゲルハイム(BI)のCOPD(慢性閉塞性肺疾患)治療薬Striverdi Respimat吸入スプレー(olodaterol)5μgを承認した。Striverdi Respimatは、長時間作用型ベータアドレナリン作動薬(LABA)である。同剤の適応は、慢性気管支炎および/もしくは肺気腫を含むCOPD患者における気道閉塞の長時間作用型1日1回投与維持療法である。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のCurtis J Rosebraugh医薬品評価第2部長は、「新規の長時間作用型維持療法が利用できることで、COPDに悩む数百万の米国人に新たな治療オプションが提供される」と同剤の承認を歓迎した。
Striverdi Respimatの安全性および有効性は、3104例のCOPD患者を対象とした臨床試験で検証された。同剤の投与群ではプラセボ投与群に比べ、肺機能を改善した。同剤のラベル上の枠組警告には、喘息関連死を増やす恐れがあることが記載された。同剤の喘息に対する安全性および有効性は確立されていないため、喘息の適応では承認されていない。また、急性気管支痙攣のような急性呼吸障害の頓服薬としては使用できない。
Striverdi Respimatは、気道狭窄・閉塞や心血管系への影響など重篤な副作用の恐れがあるため急性増悪のCOPD患者には使用不可である。同剤の主な副作用は、鼻咽頭炎、上気道感染症、気管支炎、咳、尿路感染症、眩暈、発疹、下痢、背部痛、関節痛など。
同剤は、BIの米法人Boehringer Ingelheim Pharmaceuticals(本社:コネチカット州リッジフィールド)が供給する。
Boehringer Ingelheim PharmaceuticalsのSabine Luik上級副社長(Medicines & Regulatory Affairs担当)は、「Striverdi Respimatの承認は、Respimat吸入器を使用して、現在評価中の他の化合物を含む、我々の多様な呼吸器治療薬パイプランをさらに一歩前進させた」と述べたうえで、「BIは、10年以上、COPDと生きる人々に対する治療薬の大手供給業者となってきた。我々は、今後も、olodaterolとチオトロピウムの定用量配合剤を評価するフェーズIII試験を含め、一層のベネフィットをもたらす治療法を研究し続ける」と今後のCOPD治療薬開発への意欲を示した。