PhRMA・ソーシャルメディアガイダンス Web販促の責任は限定的と主張
公開日時 2014/05/08 03:50
Webを活用した双方向販促資材についてのFDA(米食品医薬品局)のSMN(ソーシャルメディアネットワーキング)ガイダンスは、製薬企業には企業が管理できるコンテンツばかりでなく、第三者の作成したコンテンツなどに対しても幅広く責任を求めている。これに対し、米国研究製薬工業協会(PhRMA)や米国バイオ産業協会(BIO)は、製薬業界が責任を持つのはそれが管理できるコンテンツに限るべきと反論している。
製薬業界の主張は、FDAによるSMNを活用した双方向の販促資材についてのガイダンス案における、製薬企業が自ら管理できるコンテンツばかりでなく企業が影響を与える第3者の販促コンテンツにも責任を持つべきとのFDAの見解と対立している。
PhRMAは、「不透明な『影響』という言葉が、企業が提供するのでもなく、管理しているのでもない第三者のコンテンツに不適切に入り込んでくる」と第三者のコンテンツと一括して扱うことに疑問を呈した。
PhRMAは、「例えば、ある企業が企業の告知板で医療用医薬品のコメントを求めた場合、これを(その後の)投稿メッセージすべてに影響を及ぼしたとみなすのか」と疑念を示している。同協会は、「もし投稿欄で投稿者に謝辞を述べても、(そのことで)企業がユーザーに影響を及ぼすかもしれないとみなすのか」と問いかけている。
FDAが1月に発行したガイダンス案は、医薬品販促をするために企業のTwitterのようなブログやFacebookのようなSMNの使い方に触れた。同案では、企業は、自身のサイトおよび企業が影響あるいは管理の及ぶ第三者のサイトにおける販促コンテンツ、および製品を販促するために企業を代表する従業員もしくは代理人が作るコンテンツについて責任を持つことを求めている。企業は、FDAの審査のためにコンテンツすべての資材を提出しなければならない。
PhRMAのJeffrey Farncier副会長兼上級弁護士は、「PhRMAがWebMEDのような第三者のサイトに広告やコンテンツを載せるのにはまだ時間がかかる」としたうえで、「FDAがこれらのサイトの責任を企業に持たせようとするなら、それは医薬品や研究、またSMNで企業と双方向のコミュニケーションを行おうとする医療専門職の意欲などに水を差すようなものだ」と警告している。
また、PhRMAは、SMNでのコンテンツは何が販促ラベリングであり宣伝であるかを明確にすることを求めている。ガイダンス案は、「医療用医薬品について企業が提供する情報はすべて販促ラベリングもしくは宣伝で構成されていると間違って決めつけている」と批判している。
BIOもFDAに対して、企業が提供する情報がすべて販促ラベリングや宣伝でないことを明確にしてほしいとしている。BIOは、ラベリングや宣伝とみなすべきではない情報の実例として、不正確な情報の掲載を防ぐため、あるいは、ユーザーが作ったコンテンツについて情報交換するために討論の場を提供するために、製品について第三者に提供する不正確な医学的あるいは科学的情報などを挙げた。
The Pink Sheet 4月21日号