武田薬品 パーキンソン病治療薬ラサジリンをテバから導入 国内開発・販売へ
公開日時 2014/05/08 03:50
武田薬品とイスラエルのテバファーマスーティカル・インダストリーズ・リミテッド(テバ社)はこのほど、テバ社が手掛けるパーキンソン病治療薬ラサジリン(一般名)の国内での開発および製造販売を武田薬品が行う契約を締結したと発表した。今後、武田薬品がフェーズ2(P2)以降の開発を主導し、承認申請や販売も行う。テバ社は共同販促のオプション権を保有する。
今回の契約により、武田薬品はテバ側に一時金として数十億円程度を支払う。その後も承認取得や発売時にマイルストーンを支払い、販売額に応じたロイヤリティーも発生する。
ラサジリンは、ドーパミンの分解酵素であるモノアミン酸化酵素B(MAO-B)の働きを阻害し、脳内のドーパミン濃度を高めることでパーキンソン病に特徴的な運動症状などを改善する。MAO-B阻害薬としては、セレギリン塩酸塩(製品名:エフピー)が発売されているが、ラサジリンでは血管保護作用や既存薬で禁忌となっている症例への使用など投与対象の拡大が期待されるとしている。
海外ではイスラエルと欧州で2005年に承認されたことを皮切りに、これまでに米国を含む40カ国以上で発売されている。パーキンソン病の早期段階での単独療法に加え、進行期における併用療法で用いられており、13年のグローバルでの売上高は3億7100万ドルになっている。
武田薬品は中枢神経疾患(CNS)を重点領域としており、同社医薬開発本部長のNancy Joseph-Ridge氏は、「ラサジリンを国内の患者さんに可能な限り早くお届けできるよう、テバ社と連携し、開発に取り組む」とコメントしている。なお、武田薬品とテバ社は昨年、多発性硬化症治療薬グラチラマー酢酸塩(一般名、海外製品名コパキソン)についても同様の契約を締結した。