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当直前後の通常勤務が常態化 3人に1人がヒヤリ・ハット経験 ケアネット医師1000人調査

公開日時 2014/04/11 03:50

医師・医療従事者向け情報サービスサイトを運営するケアネットはこのほど、医師1000人を対象にした当直勤務に関する意識調査結果をまとめ、当直勤務の前後どちらかに通常勤務している医師が8割以上にのぼることがわかった。当直勤務が原因と思われるヒヤリ・ハットの経験では3人に1人が「ある」と答え、薬剤名や薬剤量の処方ミスが最も多かった。当直勤務などによる長時間過重労働が問題視されているが、ケアネットは「全く改善されていない現状が明らかになった」としている。

調査は同社が運営するCareNet.com登録の医師会員を対象に3月21日に実施した。回答医師の年代は20代5.8%、30代22.4%、40代38.6%、50代27.0%、60代以上6.2%、勤務先は大学病院18.7%、その他病院81.3%。調査方法はインターネット。

1か月あたりの平均当直回数は3.5回、当直中の平均睡眠時間は4時間34分だった。年代別では若いほど当直回数が多く、20代、30代は1か月あたりで平均4回を超えた。睡眠時間も若いほど短かった。当直前後の勤務体系では、当直前に通常勤務している医師は98.3%。当直後の通常勤務は83.3%だが、当直後の半日勤務が12.7%となった。当直前後ともに半日勤務や勤務なしとの答えはわずか1%だった。

当直明けの勤務中に当直による睡眠不足や疲労が原因と思われるヒヤリ・ハットを経験したことがあるかどうかを聞いたところ、「ある」との医師は34.9%だった。「ある」と答えた医師の方が、当直回数が多く、当直中の睡眠時間も少ない傾向という。どのような事例かを記載してもらったところ、「薬剤の処方(薬剤名・量など)のミス」が最も多く、また、「診察中や手術中に寝てしまった」「患者を間違え、指示を出した」「針刺し事故」と一歩間違えれば大事故につながる内容も見られた。

当直や勤務体系について自由コメントを求めたところ、「当直明けはつらい」「当直明けは休みにしてほしい」「せめて半日だけでも」と当直明けの勤務に対して訴える声が多数あった。また、「休むとなると、代わりがいない」「人員不足のため仕方がない」「病院経営上やむを得ない」など医師の過酷な勤務に頼らざるを得ない現状も浮き彫りになり、多くの医師が勤務体制の改善や法的整備を求めている。

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