中外 角化症治療薬チガソンによる催奇形性で注意呼びかけ 服用後の先天異常児出産で
公開日時 2014/03/04 03:50
中外製薬は3月3日、催奇形性があることで知られる角化症治療薬チガソンカプセル(一般名:エトレチナートカプセル)を服用した20代の女性が妊娠し、手足の指の骨の一部欠損など先天異常のある子どもを出産した症例を確認したとして、医療従事者向けの文書で、同剤服用後の避妊指導を徹底するよう呼びかけた。1985年の発売以来、国内での先天異常児の出生は2012年に20代女性による女児の1例あり、同社は注意喚起してきたが、13年11月にも今回の男児の症例の報告を受けたことから、さらなる注意を呼びかけることにした。
同剤は、添付文書の「警告」欄に「本剤には催奇形性があるので、妊婦又は妊娠している可能性のある婦人には投与しないこと。また、妊娠する可能性のある婦人には投与しないことを原則とするが、やむを得ず投与する場合には使用上の注意を厳守すること」としている。
今回の文書でも、添付文書の内容に沿った形で▽他の治療法が無効な重症例の場合のみ使用する▽妊娠する可能性のある女性には原則投与しない▽患者には催奇形性について説明し、理解させた後、処方のたびに書面で同意を得る▽投与中及び投与中止後、女性に対しては少なくとも2年間、男性に対して6カ月避妊させる--ことを徹底するよう求めた。
発売した85年以来、国内で同剤服用後(男性:投与中止から6カ月、女性:投与中止から2年以内)に妊娠が判明したのは93例で、うち出産は28例、人工流産35例、自然流産2例、追跡不能26例、追跡中2例。出産のうち2例に先天異常があった。