バイエル 眼科用VEGF阻害薬アイリーア 糖尿病黄斑浮腫の適応追加申請
公開日時 2014/03/04 03:51
バイエル薬品は3月3日、眼科用血管内皮増殖因子(VEGF)阻害薬アイリーア(一般名:アフリベルセプト硝子体内注射液)について、糖尿病黄斑浮腫の適応追加申請を2月27日に行ったと発表した。
今回の申請は、米国で行われたフェーズ3(P3)試験のVISTA-DMEと日本や欧州を含む国際共同P3のVIVID-DMEに基づく。両試験では、▽アイリーア4週間ごと投与群、▽アイリーア4週間ごと5回投与、その後8週間ごと投与群▽レーザー光凝固術施行群――の3群によるダブルマスクでのランダム比較が行われた。その結果、いずれのアイリーア群もレーザー光凝固術施行群と比べてベースラインから52週目の最高矯正視力が有意に改善された。試験は現在も進行中で、計画通り148週目まで継続される。
糖尿病黄斑浮腫は、網膜の血管が障害される糖尿病網膜症によくみられる合併症で、糖尿病患者の最大7%で発症すると推測されている。黄斑部の血漿成分の漏出は、高度な視力障害や失明の原因になる場合がある。
アイリーアは眼内における血管透過性の異常な亢進や浮腫を誘発するVEGFを阻害する。日本では2012年11月に発売され、▽中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性、▽網膜中心静脈閉塞症に伴う黄斑浮腫――の適応を取得している。なお、競合品の眼科用VEGF阻害薬ルセンティス(一般名ラニビズマブ、ノバルティス)はこの2月に糖尿病黄斑浮腫の適応で承認を取得。また、硝子体内注射薬では副腎皮質ホルモン剤マキュエイド(トリアムシノロン、わかもと製薬)も同疾患の適応を有する。