糖尿病患者の3~4割で神経症状や眼症状 ただし診断率は1割未満
公開日時 2014/02/20 03:50
塩野義製薬は2月19日、糖尿病患者を対象にした意識調査結果を発表した。神経症状や眼症状のある人がそれぞれ3~4割にのぼる一方、その診断率は1割にも満たず、患者が自覚症状を医師に伝えきれていない現状が明らかになった。
調査対象は20~60代の糖尿病患者で、有効回答数は3437人。調査方法はインターネットリサーチ。
自覚症状として「手足の痛みや痛みを伴うしびれ」がある患者は30%、「目のかすみ・視野が狭くなる」の有症状率は39%だった。しかし診断率は、「神経性疼痛」が4%、「網膜症」が7%にとどまった。この結果について、横浜市立大学大学院医学研究科分子内分泌・糖尿病内科学の寺内康夫教授は「全身性の慢性疾患である糖尿病の管理では、血糖値のみにフォーカスするのではなく、合併症予防・治療を念頭においた糖尿病患者さんのトータルケアが重要」とコメントしている。
◎周囲や家族の協力 治療継続に影響
また、患者の心配や不安も聞いたところ、「透析になるのが怖い」70%、「網膜症になって失明するのが怖い」69%、「心筋梗塞になるのが怖い」60%――と合併症に関する項目が上位に挙がった。一方で、経済的な負担や時間的な負担に加え、治療を続けることにストレスを感じている人も少なくなく、治療継続への負荷が大きい状況も見受けられた。こうした負担感を反映してか、周囲や家族からの協力が得られている患者では「治療に前向きに取り組んでいる」と78%が答えたのに対して、協力が得られていない患者ではこの回答率が56%にとどまり、周囲や家族の協力が治療継続に影響していることも示唆された。
調査を実施した塩野義製薬は、患者自身が病状や治療効果を理解することに加え、医師や家族など周囲からの理解が治療継続のモチベーションにつながると分析している。