ロシュ13年通期業績 医療薬、診断事業とも好調で増収増益 アバスチン、アクテムラが牽引
公開日時 2014/02/05 03:50
ロシュは1月30日、2013年通期業績が売上高467億7800万スイスフラン(前期比3%増)、営業利益163億7600万スイスフラン(同16%増)、純利益113億7300万スイスフラン(同18%増)の増収増益になったと発表した。潜在株式調整後1株当たり利益は前期比17%増の12.93スイスフラン。
医療用医薬品事業、診断事業ともに好調だったが、医療用医薬品事業ではとりわけ全世界的に卵巣がんに対する適応拡大を取得したアバスチン、関節リウマチ治療薬のアクテムラのブロックバスター入り、さらに地域別では中国での売り上げ拡大などが増収に貢献した。グループ全体の売上高は同社が今回適応したスイスフランの対ドル年間平均為替レートを適応すると約503億ドル規模。現状の2013年グループ全体売上規模では世界第3位となったファイザーとの差は約10億ドルの世界第4位となる。研究開発費は前期比3%減の92億7000万スイスフラン。
セグメント別の売上高は医療用医薬品事業363億400万スイスフラン(同3%増)、診断事業104億7600万スイスフラン(同2%増)。
主要な医療用医薬品の売上高は抗CD20モノクローナル抗体(抗がん剤)・マブテラ/リツキサン69億5100万スイスフラン(恒常為替レート前期比6%増)、抗VEGFヒト化モノクローナル抗体(抗がん剤)・アバスチン62億5400万スイスフラン(同13%増)、抗HER2ヒト化モノクローナル抗体(抗がん剤)・ハーセプチン60億7900万スイスフラン(同6%増)、加齢黄斑変性症治療薬・ルセンティス16億8900万スイスフラン(同15%増)、抗がん剤・ゼローダ15億900万スイスフラン(同2%増)、上皮増殖因子受容体(EGFR)チロシンキナーゼ阻害薬(抗がん剤)・タルセバ13億3900万スイスフラン(同2%増)、ペグインターフェロン-α-2a製剤・ベガシス13億1200万スイスフラン(同19%減)、ヒト化抗ヒトIL-6レセプターモノクローナル抗体・アクテムラ/ロアクテムラ10億3700万スイスフラン(同30%増)、免疫抑制薬・セルセプト8億7400万スイスフラン(同2%減)。2013年通期で大幅減収となったペガシスに関しては、アメリカで前期比43%減、ヨーロッパで前期比11%減となったが、この背景について同社では「これらの地域ではB型肝炎、c型肝炎について医師がインタフェロンフリー治療の登場を待っている状況があるため」と分析している。