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SGLT2阻害薬ダパグリフロジン AZがBMSから国内独占商業権取得 AZと小野でコ・プロ

公開日時 2013/12/04 03:52

アストラゼネカ(AZ)、ブリストル・マイヤーズ(BMS)、小野薬品は12月3日、2型糖尿病に用いるSGLT2阻害薬ダパグリフロジンの商業化や営業体制について連名で発表した。同剤はAZとBMSが共同開発してBMSが今年3月に国内承認申請したが、AZは同日付で承認取得後の独占商業権をBMSから取得する契約を締結し、さらにAZは同日付で小野薬品との間で同剤のコ・プロモーション契約を締結した。これにより、BMSは製造販売承認の取得後、所定の手続きを経て、AZに製造販売承認を移管する。BMSは本誌に、今回の契約締結について、「2型糖尿病市場からの撤退ではなく、ダパグリフロジンの価値最大化のためのもの」と説明した。

ダパグリフロジンを情報提供するMR数はAZが約1300人、小野薬品が約1000人となる。

今回の契約に基づき、BMSとAZは製品供給を、小野薬品は流通・販売を担当する。AZと小野薬品がコ・プロモーションする。小野薬品は契約一時金と上市後および売上に応じたマイルストンを支払い、この金銭はAZとBMSに分配される。具体的な金額は開示していない。

BMSによると、ダパグリフロジンの価値最大化とともに、同社が注力している経口抗凝固薬エリキュース、抗リウマチ薬オレンシア、抗がん剤スプリセルなど新薬群へのリソース配分を総合的に検討した結果、今回のスキームに至ったとしている。

AZは糖尿病領域を重点領域に位置付けているが、SGLT2阻害薬は現在6成分が申請中で10社以上がプロモーションする激戦市場となる見込みになっている。このため、2型糖尿病市場にノウハウを持つ小野薬品とコ・プロすることがダパグリフロジンの価値最大化にとって最適と判断した。

小野薬品は2型糖尿病に用いるDPP-4阻害薬グラクティブを販売中で、13年度に売上400億円を計画している。小野薬品としては2型糖尿病治療薬の製品ラインナップを強化したい思惑があり、今回、ダパグリフロジンの流通やコ・プロを行うことにした。

ダパグリフロジンは腎尿細管でのグルコース再吸収を制御するナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)に対する選択的かつ可逆的な阻害薬で、血液中の過剰なグルコースを尿とともに対外に排出させて血糖を低下させる薬剤。インスリンを介さずに空腹時血糖と食後高血糖を改善するメカニズムとなる。ダパグリフロジンは2型糖尿病治療薬として世界で最初に承認されたSGLT2阻害薬で、11月末現在で37か国で承認されている。海外製品名は「FORXIGA」。

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