FDA ネクサバール 甲状腺がんの適応追加承認
公開日時 2013/11/26 03:50
米食品医薬品局(FDA)は11月22日、分子標的抗がん剤Nexavar(ソラフェニブ)について、後期(転移)甲状腺がんの適応追加を承認した。
Nexavarは、VEGF(血管内皮細胞増殖因子)受容体 、 PDGF(血小板由来増殖因子)受容体およびrafキナーゼなどを阻害し、がん細胞の成長を抑制する。
今回承認された同剤の適応追加は、放射線ヨード療法が無効な局所再発もしくは転移・進行分化甲状腺がん。
同剤はすでに、米国では2005年に腎細胞がん、2007年に肝細胞がんの適応で承認されている。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のRichard Pazdur血液・腫瘍製品部長は、「分化甲状腺がんは、特に既存療法の効果がなくなった場合には、治療することが困難だ」と指摘したうえで、「本日の同剤の承認は、FDAが治療の困難な疾患を持った患者の治療オプションを増やすことに取り組んでいる証しである」とコメントした。
同剤の安全性・有効性は、放射線ヨード療法が無効な局所再発もしくは転移・進行分化甲状腺がんの患者417例で検証された。Nexavar投与群では、プラセボ投与群に比べ、無病生存期間(PFS)が41%延長した。また、同剤投与群の半数では無病生存期間が、プラセボ投与群の5.8か月に比べ、10.8か月に改善した。
FDAは同剤を優先審査の対象として審査した。
同剤は、独バイエルヘルスケアの米法人バイエルヘルスケア・ファーマシューティカルズ(ニュージャージー州ウェイン)と米ベンチャーのオニックス・ファーマシューティカルズ(カリフォルニア州サウスサンフランシスコ)が共同販促を行う。
バイエルヘルスケア経営委員会メンバーおよびグローバル開発のトップであるKemal Malik博士は、「今回の適応は、放射線ヨード療法が無効な分化甲状腺がんのアンメットメディカル・ニーズに応えるもの」と同剤を位置付けたうえで、「バイエルは、患者の生命や医師に際立った効果をもたらす我々の治療法の可能性をフルに引き出すことに取り組んでいる」と同社の開発への姿勢を示した。