中外 抗がん剤アレクチニブを承認申請 ALK陽性肺がんで
公開日時 2013/10/09 03:52
中外製薬は10月8日、ALK阻害薬アレクチニブ塩酸塩について、ALK融合遺伝子陽性の切除不能な進行・再発の非小細胞肺がんを適応症として承認申請したと発表した。同薬は先月、希少疾病用医薬品の指定を受けている。
国内フェーズ2では、化学療法による治療歴を有するALK融合遺伝子陽性肺がん患者46例を対象とし、43例(93.5%)で腫瘍縮小効果が確認された。グレード4以上の重篤な副作用はなく、好中球減少やCPKの増加がいずれも2例(4.3%)に認められた。中外によると、P1/P2の成績から、現在唯一のALK融合遺伝子陽性肺がん治療薬で12年5月に発売されたクリゾチニブ(製品名:ザーコリ)や他の既存薬に比べたアレクチニブの臨床的有用性が推測されたため、申請に至ったという。ただ、後ろ向きの比較による検討であるため、クリゾチニブとの前向き比較を行うP3が予定されている。
アレクチニブは中外の創製品で、ALKキナーゼ活性の阻害により腫瘍細胞の増殖を阻害する。ALK融合遺伝子陽性は非小細胞肺がん患者の2~5%に認められ、ALKキナーゼ活性の上昇が細胞の腫瘍化にかかわるとされる。同薬は、米国でも6月にFDAから画期的新薬(Breakthrough Therapy)の指定を受けている。