EFPIA・ヴィーバッハー会長 日本の臨床研究実施体制「信頼揺らぐ状況ではない」
公開日時 2013/10/04 03:52
欧州製薬団体連合会(EFPIA)のクリストファー・ヴィーバッハ―会長(仏サノフィCEO)は10月3日、来日に合わせて都内で記者会見を行った。ディオバン問題で指摘されている日本の医師主導の臨床研究実施体制の脆弱性に関する質問に、日本の実施体制の透明性は高く、高い基準の中で実施されてきたとの認識を示し「信頼が揺らぐ状況ではない」と強調した。「この一つの事例で日本の制度を判断してはならない。私は日本で臨床研究を行うことに安心感を持っている」とも語った。
同会長は会見で、欧州での官民共同ファンドによる医薬研究開発支援策を説明、安倍首相が提唱する日本版NIH構想にも期待感を示し、日欧が協力してイノベーション環境を創る必要性に触れた。そのため、指摘されている日本の臨床研究体制の脆弱性は認めにくかったとみられる。
会員会社のノバルティス社が起こしたディオバン問題を受けた再発防止策や改善策については「詳細な情報をもっておらず、コメントできる立場にはない。ノバルティス社が申し上げるべきこと」とコメントしなかった。また「今回の問題は倫理、コンプライアンスの問題だが、会員企業は守っている」と述べ、ディオバン問題やノバルティス社と距離を置いているとれるような発言もあった。同会長は、一般論として、臨床研究は、研究概要やその結果、医師らとの資金関係など透明性を確保することが重要であり、「サイエンスを前進させるもの」だと指摘した。