膵がんに対する4剤併用「FOLFIRINOX療法」が国内承認申請 関係4社
公開日時 2013/06/05 05:01
膵がんに対する4剤併用による「FOLFIRINOX療法」が、関係する薬剤を販売する4社から日本で承認申請された。同療法はオキサリプラチン、イリノテカン塩酸塩水和物、フルオロウラシル、レボホリナートカルシウムを使用する海外では既に行われている治療法で、米国とカナダ、欧州では標準療法として確立しているという。厚労省の「医療上の必要性の高い未承認薬・適応外薬検討会議」で既に実施中にあった治験の成績を生かして承認申請することが求められ、同省が12年4月に関係会社に承認申請に向け取り組むよう要請していた。
日本の新規の膵がん患者数は年間約3万人で、年々増加している。しかし、治療選択肢となる薬剤が少ないがんとして知られている。この承認申請は、既存薬剤に膵がんの効能・効果と用法・用量を追加するもので、申請された薬剤と商品名、会社名は次のとおり。
▽オキサリプラチン(商品名:エルプラット点滴静注液、会社名:ヤクルト本社)
▽イリノテカン塩酸塩水和物(トポテシン点滴静注、第一三共/カンプト点滴静注用、ヤクルト本社)
▽フルオロウラシル(5-FU注250、協和発酵キリン)
▽レボホリナートカルシウム(アイソボリン点滴静注用、ファイザー/レボホリナート点滴静注用『ヤクルト』、ヤクルト本社)
今回の承認申請データの1つである仏で実施されたフェーズ2/3の「ACCORD11試験」では、全生存期間は11.1カ月(中央値)、無増悪生存期間6.4カ月(中央値)、奏効率は31.6%で、標準療法に対して有効性は有意に優れていることを確認している。5月31日にそれぞれの薬剤を販売する各社が承認申請した。