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ファイザー 開発中の乳がん治療薬Palbociclib 米国で画期的新薬に指定 日本はP1

公開日時 2013/04/22 05:01

米ファイザーはこのほど、乳がんの治療薬として開発中のPalbociclib(一般名、開発コード「PD-0332991」)が米FDAから「ブレークスルー・セラピー(以下BT、画期的新薬)」に指定されたと発表した。BT指定制度は2012年7月に成立した「FDA安全・イノベーション法」の902条に基づく制度で、重篤または致命的な疾患に対する新薬の開発と審査を加速させることを目的にしている。同社の開発品では初の指定となる。米国では現在フェーズ3、日本では「進行固形がん」を対象にフェーズ1を行っている。

Palbociclibは経口薬で、サイクリン依存性キナーゼ(CDK)4及び6を選択的に阻害し、腫瘍細胞の増殖を抑制する。フェーズ3のプロトコルでは、21日間服用して7日間休薬する28日のサイクルとなっている。服用期間は1日1回経口摂取する。

BTに指定される条件は、「1つまたは複数の臨床的に重要な評価項目において、既存の治療薬を上回る改善が暫定的な臨床エビデンスによって示唆される」ことで、PalbociclibはP2試験の中間解析によって指定された。この中間解析では、ER陽性HER2陰性の局所進行または転移性閉経後乳がん患者に対して、Palbociclibとレトロゾールの併用群は、レトロゾール単剤投与群に比べ、無増悪生存期間中央値を有意に延長(26.1か月対7.5か月)することが確認された。

なお、FDAによるアンメットニーズの高い重症疾患への開発促進制度としては、「ファスト・トラック」がすでにあるが、BTとファスト・トラックの違いは、指定条件における臨床エビデンスの是非となっている。BTの指定では臨床エビデンスが必須であるが、ファスト・トラックの指定では必須ではない。BT指定制度が開始された12年7月から13年3月末までの申請・承認状況を見ると、申請は40品目で、うち、10品目がBTの指定を受けた(却下は12品目)。

◎ファイザー日本法人 BT指定で「日本でも効率的な開発につなげたい」

BT指定を受けた治療薬の開発では、FDAからより集中的な助言を受けることができる。また、FDAと製薬企業の情報交換にはFDAの上級管理者も加わることになっている。ただし、BTに指定された場合の承認申請の要件は、現時点では明確ではない。

ファイザーオンコロジー事業部門の臨床開発及びメディカル・アフェアーズ担当シニア・バイス・プレジデントのMace Rothenberg氏は、「BTに指定されたことでPalbociclibの開発に関してFDAと緊密に協働する機会が得られたのは喜ばしいこと」とコメントし、承認申請に必要となるエビデンスの収集などについてFDAと緊密に連携して検討していく考えを示した。

ファイザー日本法人は、米国でのP2中間解析での良好な結果とBT指定の流れを受け、日本でも効率的な開発につなげていきたいとしている。

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