FDA 嚢胞性線維症治療薬TOBI Podhalerを承認
公開日時 2013/03/26 04:00
米食品医薬品局(FDA)は3月22日、スイス・ノバルティスの嚢胞性線維症(CF)治療薬TOBI Podhaler(トブラマイシン吸入パウダー)を承認した。
適応症は、緑膿菌の呼吸器感染によるCFの管理。CFは、米国では3万人の成人及び小児が罹患していると見られる遺伝性疾患。
TOBI Podhalerは、プラスティック製の携帯用吸入機器で、緑膿菌感染に使用される抗生物質トブラマイシンの乾燥粉末剤を含有する。用法は1日2回、28日間服用、その後、28日間休薬する(1クール28日)。
同剤の有効性は、95例の小児(6歳以上)および成人を対象としたプラセボ対照比較試験で検証された。観察期間は28日間。評価項目は、FEV1(1秒間努力呼気容量)とした結果、TOBI Podhaler治療群では、プラセボ治療群のFEV1の0.09%の改善に比べ、12.5%と有意に改善された。さらに478例に上る他の臨床試験(複数)からのデータも同剤の有効性、安全性を裏付けた。
同剤の主な副作用は、咳、痰を伴う咳、喀血、肺障害、息切れ、発熱、喉・口の痛み、声の変化、発声困難、頭痛など。
販売は、ノバルティスの米法人(本社:ニュージャージー州イーストハノーバー)が行う。なお、国内では、ノバルティスファーマが、同成分については、「トービイ」の製品名で、「嚢胞性線維症における緑膿菌感染による呼吸器感染に伴う症状の改善」を適応として、吸入液を2013年1月9日から販売開始している。
FDA医薬品評価研究センター(CDER)のEdward Cox抗菌製品部長は、「今日の承認は、緑膿菌感染治療を要するCF患者に対して利用可能なDDS(薬物送達システム)のオプションを広げるもの」とした。その上で、「この製品は、携帯用の乾燥粉末吸入器によって投与される初の乾燥粉末抗菌薬である」と評価した。