第一三共 オルメテック特許切れでも成長維持 13~17年度中期経営計画
公開日時 2013/03/25 04:02
第一三共の中山讓治社長は3月22日、東京本社で開いた第3期(2013~17年度)中期経営計画説明会で、日本市場では年平均4%成長を達成して、17年度に売上6300億円を目指すと発表した。その成長ドライバーには、抗凝固薬リクシアナ(一般名:エドキサバン)や14年度の発売を見込む抗血小板薬プラスグレル、16年頃の承認取得を目指す抗リウマチ薬エタネルセプトと抗がん剤リツキシマブのバイオシミラーを挙げた。
第3期中期計画では、16年から17年にかけて主要国でオルメテックの特許切れを迎えるが、その中でも成長軌道を描く。最終年度となる17年には、連結売上高1兆3000億円(12年度見込み比31%増)、営業利益2000億円(同100%増)、営業利益率15%以上を目標とする。このうちランバクシーについては、17年に40億米ドル程度の貢献を見込む。
日本市場の戦略を見ると、これまでと同様に新薬、ジェネリック、ワクチン、OTCを手掛けていくが、なかでも新薬ビジネスを中心にシェアを拡大させ、「医薬品市場全体での売上No1」を目指す。そして、各新薬製品の目標では、▽オルメテック(配合剤含む)はARB領域内の売上No1▽認知症薬メマリーは単独及び併用処方の獲得による売上シェアNo1▽PPIネキシウムはベストインクラスの訴求による売上シェアNo1▽リクシアナやプラスグレルは標準治療薬としての早期地位確立とシェア獲得▽DPP-4阻害薬テネリアやSGLT‐2阻害薬カナグリフロジン(未発売)は田辺三菱との共同販売による糖尿病領域でのトッププレゼンスの確立―を掲げた。
最主力製品のオルメテックは、日本で17年に特許切れを迎えると見られており、第一三共はオルメテックのライフサイクルマネージメントに取り組みつつ、リクシアナやプラスグレルなどを次期主力品として早期に育成していく考えだ。
◎抗凝固薬リクシアナは14年度に心房細動、15年度にVTEの適応拡大目指す
次に、新薬の上市や適応拡大の計画を見てみる。リクシアナは現在の膝・股関節手術後の静脈血栓塞栓症(VTE)予防の適応に加え、14年度に心房細動に伴う脳卒中および全身性塞栓症の予防、15年度にはVTEに適応を広げる計画。プラスグレルは13年度上半期に経皮的冠動脈形成術(PCI)を伴う急性冠症候群や待機的PCIを伴う冠動脈疾患で承認申請し、14年度に発売する計画。その後、16年度には虚血性脳血管障害への適応拡大を目指す。
そのほか、13年度には骨粗鬆症を適応としたデノスマブの発売とイナビルのインフルエンザ予防への適応拡大を予定。15年度にはクラビット点滴静注の追加適応、17年度にはデノスマブの乳がん補助療法と関節リウマチでの適応拡大を計画している。そして、新中期計画では、バイオシミラー(BS)の市場に参入することも明記しており、16年度にエタネルセプトBS、17年度にリツキシマブBSの承認取得を目指す。