製薬協 全役職員対象の新規範「コード・オブ・プラクティス」策定 4月実施
公開日時 2013/01/17 04:02
日本製薬工業協会は1月16日、製薬企業の営業部門の活動を対象としたプロモーションコードを含む、企業の全役職員が守るべき自主規範「コード・オブ・プラクティス」を策定したと発表した。 これをもとに各社は行動規範を策定、4月の実施を目指す。新コードでは、プロモーション以外の情報発信活動についても規範を設けた。プロモーションとは別に医師らに対し科学的情報を伝えるメディカルサイエンスリエゾン(MSL)の活動も新コードの対象になるが、製薬協は「適正に公正に行われているものなら」活動を妨げるものではないとしている。
新コードは、生命関連産業として公的医療保険制度下で活動している製薬企業は高い倫理性と透明性を確保することが求められるとして、会員会社の全ての役員・従業員と、研究者、医療関係者、、卸売業者、患者団体などとの企業活動全般を対象にして策定されたもの。現行のプロモーションコードは、新コードの一部として包含されている。同日の製薬協の総会で決定された。
新コードでは▽試験・研究▽情報発信▽患者団体との協働▽卸売関係業者との関係▽国外--それぞれの活動について原則を定めた。その中で情報発信については、プロモーションを目的としない活動については、プレスリリースや一般向け疾患啓発活動、投資家への情報提供を例に挙げ「企業の営利目的による不適切なプロモーション活動とならないよう(中略)医療用医薬品の一般人に対する広告活動、未承認医薬品や適応外使用をすすめる広告と疑われることのないよう企画段階から内容の精査を行う等の対応が必要である」とした。
ソーシャルメディアの情報発信規範盛り込む
ソーシャルメディアを用いた情報発信にも触れ、会員会社が一切の責任を負うとした上で「関係する子会社、親会社、提携会社、企画会社、代理店、社員等とともに製薬協コードの遵守を確認してから実施する」と規定。具体的には▽薬事法、医薬品等適正広告基準の広告規制およびプロモーションコードの規定を遵守する▽会員会社がソーシャル・メディア等を企画・支援した場合は、当該会社が責任を持って第三者による投稿内容までを含めた掲載内容の適切性について確認し、承認外の使用、他社品の中傷・誹謗等の不適切な情報や有害事象に関する情報が掲載された場合には、当該会社の責任のもと適切な対応をとる▽会員会社が発信する情報は、自社内の適切な部門の精査を経たもののみとする▽会員会社がスポンサーをしている場合は、会社名を明示する--こととした。
卸売業者との関係については、公正取引を実施し「卸売業者に対して金銭類、物品、飲食等を提供する場合や、これらの提供を受ける場合について自ら基準を策定し遵守する」とし、会員会社側に対応を求めた。
新コード違反の対応について製薬協は、プロモーションコードを除き「現時点では何らかの基準をもって、この線を超えたら違反ですとするものではない。違反に対する措置は考えていない」と説明している。