処方薬 患者は「副作用」「のみ合わせの注意」情報も提供して欲しい
公開日時 2012/11/09 04:02
日本製薬工業協会が数年に1度行っている「くすりと製薬産業に関する生活者意識調査」の結果がまとまった。それによると、処方された薬について、「効能・効果」「服用方法」「薬の種類・成分・特長」に加えて、「副作用」「薬の飲み合わせの注意」も提供してほしいと考えていることが示された。
調査は20歳以上の2000人から回答を得た。その中で医療用薬について医師・薬剤師からの説明内容と患者が入手したい情報について見たところ、医師らから提供されている割合が高い情報は上位3つは「服用方法」(81.5%)、「効能・効果」(76.1%)、「薬の種類・成分・特長」(76.1%)だった。
一方、患者の入手希望が高い情報の上位3つのうち「効能・効果」(60.7%)、「薬の種類・成分・特長」(48.3%)は、提供情報と合致したが、「副作用」(60.4%)は合致せず、患者はもっと情報提供してほしいと考えていることが分かった。
同様に「薬の飲み合わせの注意」も医師らの提供割合は19.1%と低いのに対し、患者は45.3%が希望していた。
情報の入手先としては、インターネットが47.2%と最も多く、その中で製薬会社のサイトが60.4%を占めた。
処方薬のメーカー名 知っていると「安心」に 知っている人は増加傾向
この調査では、処方された薬のメーカーの認知度についても尋ねた。まずメーカー名を「知りたい」という人は31.5%で、例年横ばいで推移している。知りたい理由として最も多いのは「安心だから」で74.0%。「副作用が起きた時のために」との回答は02年には51.2%だったが、毎回減少し、12年は35.9%まで減っている。
また、メーカーを知っている人(全てまたは大体知っている:高認知層)は増加傾向にあり、12年は17.7%で、05年調査の2倍強。「多少知っている」人も加えると、05年51.3%に対し12年は64.3%だった。
どう知ったかを尋ねたところ、最も多いのは「薬の包装にある製薬会社のマーク」(57.2%)、次いで「インターネットで調べて」(43.3%)、「調剤薬局の薬剤師に聞いて」(13.3%)。ただし、メーカー名の高認知層は、自らネットで調べたり、医師・薬剤師に尋ねるなど能動的に情報収集する割合が高かった。