ファイザー 米NextWave Pharmaceuticals社を買収 ADHD液剤に期待感
公開日時 2012/10/31 04:00
ファイザーはこのほど、注意欠陥多動性障害(ADHD)治療薬や中枢神経障害領域の治療薬開発に取り組む新興のスペシャリティー製薬企業であるNextWave Pharmaceuticals社(本社:カリフォルニア州クパチーノ、Jay P. Shepard最高経営責任者)をオプション行使により2億5500万ドルで買収すると発表した。
ファイザーは今年の第2四半期にNextWaveと既に買収も含む2億ドルのオプション契約を締結しており、今回それを行使した。背景にはNextWave Pharmaceuticals社が9月27日、アメリカでは初の1日1回服用のADHD液剤となるQuillivant XRのアメリカFDA(米国食品医薬品局)承認を獲得したことがあるとみられている。
Quillivant XRはNextWave Pharmaceuticals社がTris Pharma(本社:ニュージャージー州モンマス・ジャンクション、Ketan Mehta最高経営責任者)のDDS技術を応用したメチルフェニデート持続放出経口懸濁液剤。市場への登場は来年1月から利用可能になる見込み。もともと神経系を重点領域とするファイザーの強みが生かせるほか、既存成分の製剤改良品であるため、同社のエスタブリッシュ・プロダクト事業での主力品にもなり得るとの目論見もあるようだ。このため買収ではNextWave社株主は特定の売り上げ目標達成に応じて最大4億2500万ドルの報奨金を得られる契約となっている。
同社エスタブリッシュッド・プロダクト事業部門ゼネラルマネジャーのAlbert Bourla氏は今回の買収について「患者ニーズにあった高品質で多様な製品群を提供することで、アメリカでのエスタブリッシュッド・プロダクト事業を伸長させるという当社の目標にかなったもの。Quillivant XRの利点と当社の商業技量が合わさることで、ADHD患者やその介護者に新たな治療オプションの提供が可能になる」とコメントしている。