中外 SGLT2阻害薬トホグリフロジン 興和とサノフィに導出 13年中の申請を計画
公開日時 2012/10/29 04:01
中外製薬は10月26日、2型糖尿病を予定適応症として開発中のSGLT2阻害薬トホグリフロジン水和物(一般名、開発コード:CSG452)を、興和とサノフィに導出するライセンス契約を締結したと発表した。具体的には日本市場に関して、中外、興和、サノフィの3社で共同開発したうえで、承認申請と販売は興和とサノフィの2社がそれぞれのブランド名にて実施し、中外は2社に製品供給を行う。中外は2社からマイルストーンを受け取るが、金額は非開示。
トホグリフロジンは中外が創製した選択的ナトリウム-グルコース共輸送担体2(SGLT2)阻害薬。国内ではフェーズ3試験を実施中。中外によると、同剤の承認申請は2013年中を計画している。
中外は、同剤を導出した理由について、2型糖尿病市場の営業体制を持っていないうえ、新規機序のSGLT2阻害薬は競合激化が予想されるカテゴリーのため、と説明している。2社同時に導出した理由については、「競合が厳しい市場の中で、1社より2社に販売してもらう方が、トホグリフロジンをより多くの患者により早く届けられると判断した」(広報部)としている。
同剤を導入した興和は、DPP-4阻害薬スイニー(9月末に承認取得)から2型糖尿病市場に参入するが、「SGLT2阻害薬も扱うことで、2型糖尿病患者に一層貢献できると判断した」(同)としている。MR数は約850人。
サノフィは経口血糖降下薬とインスリン製剤を提供しており、経口血糖降下薬ではSU薬アマリールやDPP-4阻害薬エクアなどを手掛けている。同社広報部は、「SGLT2阻害薬によって製品ラインナップを強化できる。新しい機序の医薬品を提供できるようになることで、より多く、より幅広く糖尿病治療に貢献できる」とコメントした。MR数は約1500人だが、糖尿病領域の製品を担当するMR数は非開示。