日医工 新中期計画 ニューロタン、マイスリー、パキシルのGE 12年度に発売予定
公開日時 2012/03/15 04:02
日医工は3月14日、2016年3月期(15年度)を最終年度とする4か年の第6次中期経営計画(以下、新計画)を発表、16年3月期に売上高1300億円を達成して世界のジェネリック企業のトップ10入りを果たすことを掲げた。最終年度までにARBや抗血栓症薬など超大型先発品の後発品を上市するほか、がん領域の後発品も積極的に手掛ける。特にがん領域でのプレゼンスを発揮するため、現在260人のMR体制は今後3年を目途に300人体制にし、この増員分はそのまま、DPC・基幹病院担当MR(現在約70人)にあてる計画だ。
今後の後発品上市予定品目は、13年3月期(12年度)が36品目を上市予定で、ARBニューロタン、抗うつ薬パキシル、入眠薬マイスリーなどの後発品を投入する。14年3月期(13年度)は37品目で▽スタチン製剤リバロ▽Ca拮抗薬カルブロック▽抗ウイルス薬バルトレックスなど、15年3月期(14年度)は30品目で▽ARBディオバン▽ARBブロプレス▽ARB配合剤プレミネントなど、16年3月期(15年度)は45品目で▽抗血栓症薬プラビックス▽抗がん剤グリベック▽抗うつ薬ジェイゾロフトなど――の後発品を投入する計画だ。がん領域の後発品の上市計画は、品目数は明らかにしていないが、各年度に2規格以上投入する考え。なお、同社は、これらの計画は現状の特許のままが前提としている。
サノフィと現在・コ・プロモーションしているアルツハイマー型認知症治療薬アリセプトの後発品では、最終年度までの4年累計で約95億円の売上計画を立てた。
また、バイオシミラーの開発計画も公表した。これまでに発表されている抗リウマチ薬レミケードのバイオシミラーは16年3月期の上市を目指す。また、乳がん治療薬ハーセプチンと悪性リンパ腫治療薬リツキサンのバイオシミラーも新中期計画中に臨床開発を始める。
◎政府の後発品数量シェア30%目標 16年3月期に達成と分析
同社は、12年11月期を最終年度とする現在の中期計画でも売上高1330億円を掲げたが、11年11月期実績で777億円と現計画の達成は困難。この点について同社は、現計画の前提条件に政府が掲げた後発品の数量シェア目標の「12年度に30%以上」を前提としていたが、現時点でシェア約23%で推移しており、これが現計画未達の主要因のひとつと説明している。同社の分析では、後発品のシェア30%目標は16年3月期に達成し、国内後発品市場は1兆円になるとしている。今回発表した新中期計画は、この分析結果を基にしている。
なお、同社の16年3月期の数値目標は売上高1300億円、営業利益143億円、売上高営業利益率11.0%、4年間の設備投資215億円、4年間の研究開発費223億円――。