診療報酬改定率 厚労と財務の両大臣が折衝 歩み寄りなく
公開日時 2011/12/21 04:02
診療報酬と介護報酬の改定率について小宮山洋子厚生労働相と安住淳財務相の折衝が12月20日、財務大臣室で行われた。診療報酬の本体引き上げで全体(ネット)をプラス改定にしたい厚労相と、診療報酬の本体引き下げを主張する財務相と隔たりは依然大きい模様で、合意には至らなかった。小宮山厚労相(左写真)は終了後、記者団に「(歩み寄りは)全くありません」と語気を強めて語ったが、政府は、改定率が関わる来年度予算案を24日に閣議決定する方針でタイムリミットも迫っており、21日は大詰めの交渉となりそうだ。
小宮山厚労相によると、この日はお互い改定率を提示することなく話が進められた。この中で医薬品業界が注目する長期収載品の追加引き下げ率についても話に上ったという。小宮山厚労相は「長期収載品について(財務省に)法外な下げ方を考えているという話もあったので、それはあり得ないと話した」と説明。理由として、産業でトップクラスの納税する力があり、政府としても新薬の創出を後押ししている中で、新薬開発を担う産業の力を削ぎかねないことを挙げ、理解を促したという。
改定率をめぐっては、すでに薬価で5000億円分(薬価ベース約6%、国庫負担ベースで約1.3%)は決まっており、これを上回る診療報酬本体の引き上げでネットプラス改定を目指す厚労省に対し、財務省は本体を約1%程度の引き下げを含む約2.3%の引き下げを主張。連日、事務レベル折衝が続けられていた。