英NICE、 matinib、nilotinibは推奨、dasatinibは非推奨
公開日時 2011/12/16 04:00
英国立臨床評価研究所(NICE)は12月6日、ノバルティスの慢性骨髄性白血病(CML)治療薬nilotinib (製品名:Tasigna)とimatinib(同:Glivec)を英国民保健サービス(NHS)でのCMLに対するファーストラインでの使用を推奨する一方、ブリストルマイヤーズ・スクイブ(BMS)のdasatinib(同:Sprycel)については、同使用を推奨しないとするガイダンス案を発表した。
NICEは、imatinibについては、2003年のガイダンスでNHSにおけるCMLに対するファーストライン(標準用量400㎎)での使用を推奨していたが、ガイダンスの一部見直しに伴い、同剤の費用対効果を改めて検討、推奨の再確認を行った。
NICE評価委員会は、nilotinib とdasatinibについては、両剤を直接比較した臨床試験結果はないものの間接的な比較を行った結果、両剤のCMLに対する有効性は同等と結論付けた。Imatinibの薬剤費は、年間患者1人当たり2万ポンドだが、nilotinib およびdasatinibではともに3万ポンドを超えるという。そのため、薬剤の使用が長期に及ばざるを得ないCML治療では、nilotinib もしくはdasatinibを使用すると薬剤費はかなりの額に上ると言われる。従って価格面・有効性面では両剤に差異はないと見られるが、ノバルティスが英保健省(DOH)と同社がNHSで使用する薬剤については割引価格で提供することに合意したため、評価委員会はnilotinibを推奨することになった。割引率については公表していない。
薬剤経済学的評価では、nilotinibの最も適切なICER(増分費用対効果)はimatinibの標準用量と比べて、1QALY(質調整生存年)当たり6000ポンドから25000ポンドの間と考慮されている。しかし、同剤のICERは1QALY当たり20万ポンド超に達すると見られる。
NICEでは、「imatinibの使用推奨は効果的なNHSのリソースの使い方だ」と指摘したうえで、「nilotinibの使用を推奨することによって、CML患者の選択肢をさらに増やすことが出来た」とnilotinibがNHSで使用可能になったことを歓迎した。