韓国サムスングループ 合弁会社設立でバイオシミラー事業に参入
公開日時 2011/12/08 04:00
韓国の大手財閥サムスン(三星)グループの製薬事業合弁会社サムスン・バイオロジックス(本社・韓国ソウル、キム・テハン最高経営責任者)は6日、米ナスダック上場のバイオジェン・アイデック(本社・米マサチューセッツ州ウェストン、ジョージ・A・スキャンゴス最高経営責任者)とバイオシミラー事業の合弁会社を設立すると発表した。サムスングループは今年4月、バイオ医薬品の受託製造を中心に創薬も視野に入れ、米クインタイルズ社と合弁でサムスン・バイオロジックスを設立、バイオ医薬品事業への参入を開始したが、神経分野を中心としたバイオ医薬品事業経験を有するバイオジェン・アイデックとの合弁で、同社としての製品の市場投入スパンを短縮し、早期の売上確保を目指す考えと見られている。
合弁会社の資本金は3億ドル(約230億円)。出資比率はサムスンバイオロジックス85%、バイオジェン・アイデック15%。新合弁会社は韓国内に設立される予定。バイオジェン・アイデックは同社のもつ蛋白工学技術と製造事業を中心に合弁会社に貢献する。
半導体などの電子事業を中心とするサムスグループは2010年5月に2020年までの戦略的集中投資分野としてヘルスケア分野への進出と、バイオ医薬品事業に総額2兆1000億ウォンの投資を行うと発表している。
これに基づき、サムスングループ企業90%、米クインタイルズ10%の出資比率でサムスン・バイオロジックスを設立。韓国・仁川市に3300億ウォンを投じてFDA認証を取得できるバイオ医薬品の生産プラントを建設中で、2012年末までに完成し、2013年から生産を開始できるスケジュールを公表している。また、同地では2012年内には研究開発センターを完成させ、最終的に300人程度の研究者により研究開発を行う方針を示している。
なお、バイオジェン・アイデックは1978年設立。多発性硬化症治療薬のインターフェロンβ-1a製剤アボネックス、抗α4インテグリンヒト化モノクローナル抗体・タイサブリ(一般名・ナタリズマブ)などを有し、2010年の年間売上高は約47億ドル。現在、世界29カ国以上で直接の販売拠点を有している。