武田薬品 悪性リンパ腫治療薬SGN-35 国内フェーズ1/2試験開始
公開日時 2011/10/12 04:02
武田薬品は10月11日、悪性リンパ腫治療薬SGN-35(一般名:brentuximab vedotin)の日本でのフェーズ1/2試験を開始したと発表した。標準治療法が未だ確立していない▽再発・難治性のホジキンリンパ腫▽再発・難治性の全身性未分化大細胞リンパ腫――を対象とした試験を実施し、日本人における安全性、忍容性、有効性を検討する。
今後の開発スケジュールは今回の試験結果を踏まえて検討するが、武田薬品が欧州で今年5月末に承認申請した際にはフェーズ2試験結果を基に申請している。なお、米国では今年8月に承認され、販売されている。
同剤は米国シアトルジェネティクス社からの導入品。武田薬品とシアトルジェネティクス社が共同開発し、武田薬品が米国とカナダを除く全世界の独占販売権を取得している。武田薬品の開発費用の負担割合は海外が50%、日本が100%となっている。
同剤はCD30抗原を標的とする抗体-薬物複合体。抗体-薬物複合体とは、細胞を死滅させる薬剤を正確にがん細胞に運ぶモノクローナル抗体の結合物のことで、シアトルジェネティクス社がこの抗体-薬物複合体技術に関する特許を持っている。武田薬品100%子会社のミレニアムが2009年3月、抗体―薬物複合体技術についてシアトルジェネティクス社とライセンス契約を締結し、固形がんにおいて発現するひとつの抗原についての独占的使用権と他の2つの抗原に関するオプション権を取得している。