5月度・病院新規採用ランキング トップは前月に続きプラザキサ 順調に市場浸透
公開日時 2011/06/27 04:03
ミクス編集部が行った5月度の病院の新規採用ランキングは前月に引き続き直接トロンビン阻害剤プラザキサ(ダビガトランエテキシラート 日本ベーリンガーインゲルハイム)がトップとなった。単月で11施設の採用となり、前月の3施設を加えると、本調査に協力頂いている80病院中14施設が採用した。6月度の調査結果は現在集計中だが、引き続き採用件数を伸ばしており、3月17日の発売以来、順調に市場浸透が進んでいると思われる。ただ、6月17日には腎障害を有する高齢者への投与で“適正使用のお願い”も日本ベーリンガーインゲルハイムより出されており、正確な情報提供と慎重な患者選択が求められそうだ。
◎医師の新規処方も1位はプラザキサ 2位はメトグルコ錠
医師の新規処方ランキングも同様にプラザキサが群を抜いてトップとなった。処方理由としては、薬理作用と既存薬に比べての有効性が高い。医師の自由コメントでも、「早く採用して欲しい」や、「同剤に関する基本的な情報が欲しい」などの意見が見られ、同剤に対する期待の高さを思わせるものとなっている。
医師の処方ランキングの第2位には、5月11日に投与期間制限が解除されたビグアナイド系経口血糖降下薬メトグルコ錠(メトホルミン塩酸塩)が入った。
◎自由コメント 震災を踏まえ後発品採用を検討も
自由回答をみると、前月に引き続き東日本大震災の関係が目立つ。病院薬剤部からのコメントでは、震災を踏まえ、後発医薬品の採用を検討しているとの意見があった。そのほか「ここにきて供給状況が思わしくないと表明する製剤、製薬会社がある。製薬会社のMRが製造拠点や委託先まで知る由も無いのかもしれないが、安定供給という使命において情報をもっとオープンにして、かつ医薬品の買いだめを起こさせないことは、製薬業界、卸業界、そして医療界として考えていく必要がある」などの意見が寄せられた。
本調査はMonthlyミクスが毎年行っている新薬採用アンケートに回答頂いた病院薬剤部から80病院(国公立、自治体、準公的、民間など)に定点観測を お願いし、毎月ごとの新薬採用・採用停止品目について集計した。臨床医についてはMCIとの協力により、内科系医師人についてインターネットより回答を得 た。
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