FDA バーテックスのC型肝炎治療薬telaprevirを承認
公開日時 2011/05/27 04:00
米食品医薬品局(FDA)は、5月23日、バーテックスのHCV特異的プロテアーゼ阻害剤Incivek(telaprevir)について、ペグインターフェロンアルファおよびリバビリンとの併用でインターフェロンをベースとする治療歴がないか、あるいは他の治療が無効の場合のC型肝炎を適応として承認した。
同剤の有効性・安全性は未治療あるいは前治療のある2250人を対象とした3件のフェーズIII試験で検証された。全患者が標準治療(ペグインターフェロンアルファおよびリバビリン)を受けた。前治療のない患者でtelaprevir併用投与群の79%は、標準治療のみの群と比較して持続的ウイルス学的著効(SVR)を達成した。休薬後24週では血中でウイルスは検出できなかった。全試験・全患者を通じ、SVRは、telaprevir投与群では標準治療よりも20-45%高かった。
この試験の結果はtelaprevirによる治療で大多数の患者で治療期間を48週から24週に短縮が可能となることを示した。未治療の患者の60%は早期の奏功を示し、24週のみの治療で終了した。これらの患者のSVRは90%だった。患者が治療終了後に高いSVRに到達することはC型肝炎が治癒することを示唆する。SVRは結果的に肝硬変や肝疾患合併症を減少させるばかりでなく、肝がんを減少させ、死亡率を減少させる。
FDA医薬品評価・研究センター(CDER)のEdward Cox抗菌剤製品部長は、「Incivekの承認で、C型肝炎を治癒するという大きなチャンスを生める新たなオプションがいまや2つになった」と歓迎し、「慢性C型肝炎感染に対する戦いの大きな歩みを築いた」とコメントしたいる。FDAは5月13日に同一クラス薬剤のメルクのVictrelis(boceprevir)を承認している。