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独バイエル開発の抗がん剤alpharadin(塩化ラジウム223) 血液毒性低く

公開日時 2010/10/22 04:00

バイエル薬品は10月21日、独バイエル・シエーリング・ファーマが開発を行っている抗がん剤alpharadin(塩化ラジウム223)について、フェーズ1、2の解析で血液毒性が低いとの結果が示されたと発表した。同剤は放射線医薬品。放射線治療では、患者の免疫力低下に関わる血液毒性が問題になるが、それが低いとの結果が示されたことは、現在進行中のフェーズ3を後押しすることになる。開発は海外で行われており、日本では行われていない。

この結果は、8日~12日までイタリア・ミラノで行われた欧州臨床腫瘍学会(ESMO)のポスターセッションで発表された。同剤の治験は、骨転移を有する去勢抵抗性前立腺がん(CRPC)。男性患者の約9割が骨転移を起こしているといわれ、強い痛みなどQOLを著しく損なう。治験は292人の患者を対象に行われた。

有害事象を検証したところ、血小板や好中球の減少といった血液毒性の発現頻度は、程度が重度であることを示すグレード4では1%未満。グレード3では血小板減少2%、好中球減少1.7%、白血球減少2.7%、ヘモグロビン減少4.8%だった。

同剤は、体内カルシウムと類似した作用を持ち、骨に取り込まれやすく、そこでアルファ線を放出し、腫瘍を攻撃するとされる。アルファ線は放射線の中で放出エネルギーが最も強いが、用いるラジウム223は微量の上、半減期もごく短く、医薬品への応用が検証されている。薬物動態試験では15分以内に75%が消失、4時間後には96%が消失し、便中への排泄がほとんどだった。今年の米国臨床腫瘍学会(ASCO)で発表されたフェーズ1と2の結果では、全生存期間はalpharadin投与群はプラセボ投与群より4.5ヵ月延長し、骨痛も緩和されたことが示されている。 

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