抗凝固管理されていない慢性心房細動患者にどう対応? 循環器科に紹介が37%
公開日時 2010/09/07 04:02
医師の会員制コミュニティーサイト「MedPeer」を運営するメドピアはこのほど、抗凝固管理がなされていない、もしくは管理不十分の慢性心房細動患者に、循環器科以外の医師がどのように対応するかという調査結果をまとめた。「循環器科に紹介する」が37%と最も多かったが、これと同程度の35%の医師は「PT-INR(凝固時間)を測定し、ワーファリン投与量を調整する」と回答した。また、「患者像によって違う。他医が診ている患者かどうかで方針が変わる」が9%、「ガイドラインに沿って治療する」が4%、その他が15%――だった。同サイトの会員数は約3万人。
調査は8月9日~22日に実施した。質問は「日常診療で抗凝固管理がなされていない、もしくは管理不十分の慢性心房細動患者(具体的にはワーファリン投与がなされていない、抗血小板剤を投与されている、PT-INRを測定せずワーファリンを少量のみ投与されているケースなど)に遭遇することがあると思うが、そのような場合、どのようにフォローしているか」というもの。調査は循環器科以外の医師を対象に実施した。有効回答数は1379件。
循環器科に紹介すると答えた医師からは、「梗塞の既往のない慢性心房細動患者については全例ワーファリンが必要とは限らないと思われるため、一応循環器科にワーファリン投与の必要の有無を問い合わせてから投与する」(50代、脳神経外科)、「PT-INRを確認してからワーファリンを処方するのは誰でもできるだろうが、果たしてその症例に本当にワーファリンが必要かどうかの判断は循環器科に依頼すべきと考える。ワーファリン服薬中に消化管出血などを起こすと結構大変。服薬が開始されていて、それを調整するのは一般医の仕事だとは思うが」(30代、一般内科)、「PT-INRを測定しワーファリンの量を決めていくのは簡単だが、その前に心臓の評価等を循環器科でしてもらう必要があると思う」(50代、一般内科)――など、まずは循環器の専門医による精密検査で治療方針を確定してもらってからフォローするとのコメントが多かった。
一方、PT-INRを測定し、ワーファリン投与量を調整すると答えた医師からは、「出血傾向(血痰や胃潰瘍など)がなければワーファリンを投与する。当然PT-INRは測定する」(40代、呼吸器内科)、「投与禁忌がなければ全例ワーファリンコントロールしている。少量投与するくらいならしない方がまし」(40代、一般内科)、「リスクとベネフィットを説明した上で患者が嫌がらなければワーファリゼーションを行う。通院困難や服薬拒否があればプラビックスを飲んでもらう」(30代、一般内科)、「当方脳外科なので、心房細動の治療の有無にかかわらず脳塞栓症で入院される。多くの方がガイドライン通りに治療を受けていない印象。当科で対応している」(40代、脳神経外科)――などのコメントが寄せられた。