日本糖尿病協会は、DPP-4阻害薬シタグリプチン(商品名:ジャヌビア、グラクティブ)の高齢者2型糖尿病患者のエビデンス集積に乗り出す。6月にも、医師主導臨床研究「START-J(SiTAgliptin in elderly Trial in Japan)の症例登録をスタートさせる。
高齢者の2型糖尿病治療は、日本老年病学会などの研究はあるが、明確な治療方針を示したガイドライン(GL)などはないのが現状。一方で、高齢者は低血糖が発現しやすいことが指摘されており、少量からの投与が求められるほか、定期的な検査などを行った上での慎重な投与が求められている。
このような中で、実施されるSTART-Jは、低血糖の発現頻度が低いことが期待されるDPP-4阻害薬を実地臨床で高齢者に用いた場合の有効性・安全性についてのエビデンス集積に期待がかかる。
試験の対象は、65歳以上の2型糖尿病と診断され(HbA1c値が6.5~8.5%)、食事・運動療法のみで血糖コントロールが不十分な患者。①シタグリプリン50~100mg1日1回投与群②グリメピリド0.5~6.0mg1日1~2回投与群――の2群に分け、治療効果と安全性を比較する。試験期間は、来院から52週後までで、現在3年間の継続試験の実施も検討中という。目標症例数は各群450例ずつの900例で、全国約200施設での試験実施を目指す。登録期間は、2010年6月~11年の6月で、12年6月の試験終了を目指すという。
東京では7月19日、大阪では8月8日にキックオフミーティングを開催する予定。