独BI エスエス製薬のTOBが事実上成功 完全子会社化へ
公開日時 2010/04/15 04:02
独ベーリンガーインゲルハイム(BI)は4月14日、日本のエスエス製薬の完全子会社化に向けて実施していた株式公開買い付け(TOB)について、予定していた買付予定数の下限を上回ったため、事実上成功したと発表した。TOBに応募した人には、1株あたり710円で、20日から決済する。BIは今回のTOBでエスエス株の93.8%を取得、今後、エスエスの定款を変えて完全子会社化を行う。完全子会社化の時期は非開示。
BIがエスエスを完全子会社化した場合の買収総額は822億円となる。エスエスは上場廃止とするが、社名は日本で根付いたブランドのため変更しない予定。
BIグループのOTCビジネスは08年度で売上高11億9000万ユーロ、全世界の市場の2.7%を占め、世界6位となっている。エスエスは今回のTOB実施前からBIの傘下にあった(BIはエスエス株の60%を保有)が、今回の完全子会社化によりBIグループとの連携が一層強化され、日本市場での存在感をより一層強化できるとしている。完全子会社化となると、例えば、BIグループの医療用医薬品のスイッチOTCについて、エスエスも他のBI子会社と同様の権利を持てるなどとしている。