フロリダを含む14州がヘルスケア改革法差し止めを求めて提訴
公開日時 2010/03/26 04:00
オバマ大統領がヘルスケア法に署名した3月23日、フロリダを筆頭とする13州の司法長官の連名でヘルスケア改革法の差し止めを求める訴訟がフロリダ州で連邦裁判所Federal Courtに提訴された。提訴の理由は、フロリダ州のBill McCollum司法長官の説明によれば、ヘルスケア改革法が連邦政府による商業活動への過度の規制、州の独立自治権への侵害、さらに憲法違反にあたる直接課税などにより、憲法に違反するからであるとされ、フロリダ州以外の原告にはアラバマ、コロラド、アイダホ、ルイジアナ、ミシガン、ネブラスカ、サウス・キャロライナ、サウス・ダコタ、テキサス、ユタ、ワシントン、ペンシルヴァニアの12州が名を連ねた。
また同日、同様の提訴がヴァージニア州によってヴァージニアの連邦裁判所に提訴されているが、こちらの趣旨はフロリダ州グループとはやや異なり、提訴の焦点はむしろ全国民に医療保険の購入を義務付けるヘルスケア改革法は「(州民に)望まない医療保険を拒否する権利」を認めるヴァージニア州法との間にコンフリクトがある点に置かれている。全州民に医療保険購入を義務付ければ、必ずや、若く、健康でそれゆえ自発的な意図をもって医療保険を購入しない層に対し、高齢者や病人との制度的なトレードオフを強いる結果になると司法長官は説明し、ヴァージニア州政府にはそうした規制を実行する意志はないとし、さらに全国民に医療保険の購入を義務付けるヘルスケア改革法は憲法が規定する州間商取引に関する連邦法の権限の範囲を逸脱しており、憲法違反であると主張する構えである。
McCullumフロリダ司法長官は、連邦最高裁まで争う姿勢を明確にし、必ずや連邦最高裁で違憲判決を勝ち取ることができると信じていると述べている。ヴァージニア州も同様に最高裁まで争う用意があることを明らかにしている。
ちなみに14州の司法長官のうち13名は共和党であるが、ルイジアナ州のJames Caldwell司法長官は民主党である。