ファイザー スーテント最終解析 日本人の転移性腎細胞がん患者の長期生存確認
公開日時 2010/03/19 04:01
ファイザーは3月18日、抗がん剤スーテント(一般名=スニチニブリンゴ酸塩)が日本人の転移性腎細胞がん(mRCC)患者の生存期間の延長に貢献することが明らかになったと発表した。このデータは国内フェーズ2試験の最終解析によるもの。特に日本人に関する全生存期間は海外フェーズ3試験の成績を約半年上回った。3月5~7日にサンフランシスコで開催されたASCO GUで浜松医科大泌尿器科の麦谷壮一氏が報告した。
同試験では、患者の全身状態の指標となる「ECOG PS」が0~1、腎摘手術あり、未治療あるいはサイトカインベースの全身療法レジメンを受けたことのある日本人mRCC患者に対するスーテントの有効性と安全性を検討した。主要エンドポイントは中央委員会判定の奏効率、二次エンドポイントは主治医判定の奏効率や無増悪生存期間、全生存期間、安全性など。登録患者数は未治療群25例(ファーストライン治療)、既治療群26例の計51例。
その結果、主治医判定による奏効率は52.9%(未治療群52%、既治療群53.8%)、無増悪生存期間の中央値が未治療群12.2か月、既治療群10.6か月、全生存期間の中央値は未治療群33.1か月、既治療群が32.5か月――だった。海外フェーズ3での全生存期間中央値26.4か月と比べて、日本のデータは約半年上回った。一方、安全性の評価(グレード3/4の主な有害事象及び臨床検査値異常)では、血小板減少が未治療群56%、既治療群54%、好中球減少が同44%、62%などとなり、承認申請時と同等の結果だったという。