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万有製薬とシェリング・プラウ 統合後の新会社名は「MSD」、国内8位に浮上

公開日時 2010/03/05 04:02

今年下半期に国内で経営統合を控える万有製薬とシェリング・プラウは3月4日、メディアブリーフィングを行い、統合の進捗状況について説明した。会見した新会社の社長に就任するマーク・ティムニー社長(現在、万有製薬、シェリング・プラウの社長を兼務)は、新会社名がMSD(株)(米国、カナダではMerck)に決まったことを発表した。売上高は単純合算で3382億円(09年)、国内で第8位に浮上する(万有は現在13位、シェリング・プラウが22位)。ティムニー氏は会見で、「将来的な売上の数値目標はない」としながらも、「短期的には5位以内になる。世界では第2位の製薬企業になるので、日本でも上位3~4位を狙ってもよい」と意気込みを示した。


親会社の米メルクは旧シェリング・プラウと昨年11月に経営統合を完了。2013年までにグローバルで15%の人員削減を発表している。新会社の人員は単純合算で5000人規模となるが、ティムニー氏は統合後について「人員規模については検討中。日本は15%より少ない比率を願っている」と述べるにとどまった。また、両社のMR数を合算すると2600人となるが、(万有製薬が約1500人、シェリング・プラウが約1100人)、同氏は今後のMR数の規模についても「現在慎重に検討を重ねている。今後3~6カ月以内で人数を明らかにしていく」と明言を避けた。

◎新会社の売上比率 


新会社のフランチャイズ領域は,「循環器系・メタボリック」「呼吸器系」「骨疾患」「感染症・ワクチン」「皮膚疾患」「眼科」「がん」「女性の健康」「中枢神経系」「麻酔科」の幅広い製品ラインナップが揃うことになる。万有製薬の売上の50%は循環器系の製品によるものだったが、新会社は循環器系が40%、呼吸器系が20%、感染症が15%となり、ティムニー氏は「バランスの取れた売上配分となる」と期待感を示した。


万有製薬の09年の成長を牽引した製品は降圧配合剤プレミネント(前年比59.4%増)、喘息治療薬シングレア(19.5%増)、男性型脱毛症薬プロペシア(21.4%増)などだが、グローバルで売上1000億円以上の大型品に成長した2型糖尿病治療薬ジャヌビアを昨年12月に発売し、新会社への売上貢献が期待されている。国内でも今年競合品が複数発売される見通しで、競争激化が予想される。ティムニー氏は「糖尿病はなかなか1剤では足りない。色々な機会を提供していく」と話し、ジャヌビアについて、αグルコシダーゼ阻害剤との併用療法の適応追加(フェーズ3)の試験を進めているほか、インスリンとの併用療法の試験を検討中、またメトホルミンとの配合剤やアクトスとの配合剤の開発を検討していることも明らかにした。


現在、国内では複数の承認申請を予定しており、世界同時開発に積極的に参画しながら、10年は4件(ロタウイルスワクチン、抗がん剤、ジャヌビアとαグルコシダーゼ阻害剤との併用療法など)、11~13年は15件以上の承認申請を目指す予定。


一方、親会社米メルクの懸念材料として指摘されているグローバルで大型化した主力品の特許切れ後の対応についても触れた。米国では10年に降圧剤コザール(国内販売名:ニューロタン)、12年後半にシングレアが特許切れを迎える予定だが、「コザールの特許切れは(影響が)大きいが、売上の落ち込みを新しい製品で上手に補完できる。シングレアについてもかなり影響が大きいが、継続する成長が見られると思う。十分な期待が現在のポートフォリオの中で得られると思う」と話した。


なお、新会社名MSDの由来は、万有製薬の親会社米メルク社が1953年に旧Sharp&Dohme社と合併した後、北米を除く地域で広くMerck Sharp&DohmeまたはMSDの商号で事業を展開してきたことから、統合により世界的に商号を統一することにしたという。

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