塩野義 インフルエンザ治療薬ラピアクタを27日から発売
公開日時 2010/01/27 04:02
塩野義製薬は1月26日、抗インフルエンザウイルス薬ラピアクタ点滴用(一般名=ペラミビル水和物)を今日27日から発売すると発表した。新型インフルエンザの流行や薬剤耐性への懸念を背景に、異例のスピードで承認を取得し、緊急薬価収載された製品。同社によると、3月までに約70万人分の供給量を確保できる見込み。4月以降も必要量を円滑に供給するため、「生産体制の拡充に努める」としている。
同社によると、同剤は外来での1回投与で通常のインフルエンザ症状に対する十分な効果と確実なコンプライアンスが期待でき、重症例や経口投与が困難な症例にまで幅広く使用できる。効能・効果はA型またはB型インフルエンザウイルス感染症で、小児適応は取得していない(小児適応は3月までに申請予定)。ただ、インフルエンザ患者に小児が多いこともあって、同剤の添付文書には09年12月27日現在の小児対象の臨床試験の途中経過が記載されている。厚労省はこれまでに、「(小児への)安全性は確立していないが、これらの患者の使用にあたっては本剤の必要性を検討した上で、患者の状態を観察しながら慎重投与することが記載されている」と説明している。
同剤は塩野義が米バイオクリスト社から導入し、日本国内で開発を行った。同剤は米FDAから緊急使用許可が下りているが、正式な承認取得は今回の日本が世界で初めてとなる。
塩野義は、「感染症治療薬のトップメーカーとして、細菌感染症やウイルス感染症を中心とする感染症の治療に貢献し続けるため、今後も研究開発活動や販売における情報提供活動に注力する」とコメントしている。