第一三共は８月10日、11日から予定していたインドのジェネリック（GE）メーカーのゼノテックラボラトリー（ボンベイ証券取引所上場）に対する株式公開買い付け（TOB）を延期することになったと発表した。インド証券取引所内の不服申立機関である証券上訴法廷（SAT）から延期の要請を受けたもの。

TOBを巡っては、買付価格に不満を持ったゼノテックの一部株主が仮差し止めを提起し、７月に棄却されている。今回の延期も同様の申し立てがSATにあった模様。第一三共によると、９月４日に関係者の意見聴取が行われる予定で、そこで何らかの結論が出るとみられる。

第一三共子会社のランバクシーが、ゼノテックの47％の株式を保有していることで、第一三共がゼノテックの株式を間接保有する形になっていたが、インドの法令では、上場企業の株式を15％以上取得した場合、20％を上限にTOBを実施することが課されている。このTOBは、第一三共にとって義務的なもので、自発的に行うものではない。当初TOBは１株113.62円で688万6000株を買付上限に、11日から31日（インド時間）まで行う予定だった。