感度分析(1)
公開日時 2008/09/30 00:00
モデルを使った薬剤経済分析では、感度分析により分析結果の妥当性の検証を行います。分析者が自由にモデルを構築できる薬剤経済分析において、感度分析は非常に重要な位置づけにあります。今回から2回にわたり、感度分析について紹介します。ICERの妥当性の検証は?前回も紹介したKarnonら1)による心筋梗塞や脳卒中などの2次予防におけるアスピリンに対するクロピドグレルの費用対効果分析では、アスピリン予防群に対するクロピドグレル予防群の長期的な費用対効果をマルコフモデルを使って推計し、クロピドグレル予防群は総費用、総QALYsともにアスピリン予防群よりも大きく、費用対効果の評価指標であるICERは21,489ポンドとなりました。この値は、英国で費用効果的と考えられているICERの限界値3万ポンドを十分下...