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米FDA  PAR-1拮抗薬vorapaxarを承認

公開日時 2014/05/13 03:50

米食品医薬品局(FDA)は5月8日、米Merck Sharp & Dohme Corpの抗血小板薬Zontivity(vorapaxar)を承認した。同剤の適応は、心臓発作、脳卒中、心臓血管死のリスクの低減、および心臓発作既往患者もしくは脚の動脈における閉塞既往患者における血流の回復のための手術(冠動脈再建術など)の必要性の軽減である。


Zontivityは、プロテアーゼ活性化受容体(PAR)-1拮抗薬とよばれる新規抗血小板剤で、血小板表面にあるトロンビン受容体であるPAR-1に拮抗し、トロンビンによる血小板の活性化を阻害し、血小板凝集を抑制、血栓の形成を減少させることで、心臓発作や脳卒中のリスクを減らす。


FDA医薬品評価研究センター(CDER)のEllis Unger医薬品評価第一部長は、「心臓発作あるいは末梢血管疾患の既往患者において、本剤は心臓発作、脳卒中および心血管死のリスクを低減させる」と特徴を述べたうえで、「承認の裏付けとなった臨床試験では、これらのリスクを3年間の観察期間で9.5%から7.5%へ減少させた」と同剤の有用性について説明した。


他の抗凝固剤と同様に、Zontivityは、致命的出血を含む出血のリスクを増大させる。同剤の頻度の多い副作用は出血であるため、枠組警告ではそのリスクを医療関係者に訴えている。なお、同剤は、頭部における出血のリスクが非常に大きいため、一過性脳虚血発作(TIA)患者には禁忌である。


FDAは、この出血リスクのために、医療関係者は、患者に同剤服用中には出血しやすく、痣が出来やすいことを伝えること、患者には、予期せぬ、もしくは長引く、または、過剰な出血を見た場合には、医療関係者に報告することを呼び掛けている。同剤の処方の際には、患者向けに適正使用を呼びかけた「Medication Guide」の配布が義務付けられている。


2万5000例を対象とした臨床試験では、Zontivityは、抗血小板薬アスピリンおよびクロピドグレルとの併用群ではプラセボ投与群に比べ、心臓発作、脳卒中、心血管死および冠動脈再建術の緊急施行の複合エンドポイントを減少させた。

 


 

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