【速報】24年薬価調査 平均乖離率は約5.2% 長期収載品は9.5%、後発品は9.4% 不採算品は2.1%
公開日時 2024/12/04 10:40
厚労省は12月4日午前の中医協薬価専門部会に、2024年薬価本調査(9月取引分)の平均乖離率が約5.2%との結果を示した。23年調査の平均乖離率の約6.0%よりも0.8%圧縮。22年調査から3年連続で、過去10年間で最小を更新した。厚労省はカテゴリー別の乖離率を初めて提示。後発品のない、いわゆる新薬の平均乖離率は3.8%だったのに対し、長期収載品は9.5%、後発品は9.4%だった。後発品の数量シェアは85.0%と後発品の浸透が大きく進んでいることもわかった。一方、医療上の必要性の高い医薬品は基不採算品再算定が2.1%などで、全体の平均乖離率を下回る結果となった。25年度薬価改定では長期収載品が焦点となる中で、カテゴリー別の乖離率が明らかになったことで、年末の予算編成に向けた議論が本格化する。
文末の「関連ファイル」に、15年以降の医薬品価格調査の速報結果の推移の図表を掲載しました。12月4日のみ無料公開、その後はプレミア会員限定コンテンツになります。
◎基礎的医薬品1.6% 安定確保医薬品Aが3.5%
厚労省が示した24年薬価調査の平均乖離率は約5.2%。「先発医薬品(後発医薬品なし)」が3.8%、「先発医薬品(後発品あり)」が9.5%、「後発医薬品」が9.4%、「その他品目」が2.6%だった。なお、後発医薬品の数量シェアは約85.0%で、前年調査(80.2%)から4.8ポイント上昇した。
医療上の必要性の高い医薬品の安定供給に焦点が当たる中で、24年3月に改訂した「医療用医薬品の流通改善に向けて流通関係者が遵守すべきガイドライン」で、価格交渉の段階から別枠として、個々の医薬品の価値を踏まえた単品単価交渉とすることとされた医薬品の主な分野の乖離率も示した。基礎的医薬品が1.6%(23年度調査結果1.8%)、安定確保医薬品Aが3.5%(同5.8%)、不採算品再算定が2.1%(同3.3%)。
◎投与形態別の乖離率 内用薬6.4% 注射薬3.5%、外用薬6.8%
24年調査による投与形態別の乖離率は、内用薬6.4%(23年調査=7.0%、22年調査=8.2%)、注射薬3.5%(同4.4%、5.0%)、外用薬6.8%(同7.2%、8.0%)。
主要薬効群別の乖離率は以下のとおり(カッコ内は23年調査、22年調査)。
内用薬:▽その他の腫瘍用薬3.4%(同3.7%、4.2%)、▽糖尿病用剤6.9%(同7.9%、8.4%)、▽他に分類されない代謝性医薬品5.1%(同6.3%、7.2%)、▽血液凝固阻止剤4.6%(同5.0%、5.2%)、▽抗ウイルス剤3.6%(同3.0%、―)、▽その他の循環器官用薬4.0%(同4.4%、―) 、▽その他の中枢神経系用薬6.4%(同7.5%、9.0%)、▽精神神経用剤8.4%(同9.3%、9.4%)、▽消化性潰瘍用剤9.2%(同10.6%、11.3%)、▽漢方製剤1.9%(同 ―、3.7%)――。
注射薬:▽その他の腫瘍用薬3.0%(同4.3%、4.7%)、▽他に分類されない代謝性医薬品5.1%(同5.7%、6.3%)、▽血液製剤類1.3%(同1.9%、2.2%)、▽その他のホルモン剤(抗ホルモン剤含む)5.3%(同6.5%、7.2%)、▽抗ウイルス剤2.1%(同3.1%、―)――。
外用薬:▽眼科用剤8.2%(同8.3%、8.7%)、▽鎮痛・鎮痒、収斂、消炎剤7.8%(同7.9%、9.1%)、▽その他の呼吸器官用薬6.7%(同6.9%、7.2%)――。