大塚製薬 国内初の造血器腫瘍遺伝子パネル検査・ヘムサイトの承認取得
公開日時 2024/09/24 04:50
大塚製薬は9月20日、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫などの造血器腫瘍を対象とする遺伝子パネル検査・ヘムサイト解析プログラムの承認を取得したと発表した。今後、保険適用の手続きを行い、発売に向けた準備を進める。固形がんを対象とした遺伝子パネル検査は既に承認され、保険適用されているが、造血器腫瘍を対象とする遺伝子パネル検査はヘムサイトが国内初となる。
大塚製薬と国内主要施設による共同研究コンソーシアム(国立がん研究センター、九州大、京都大、名古屋医療センター、東京大医科学研究所附属先端医療研究センター、慶應義塾大医学部)は、造血器腫瘍の保険診療下でのがんゲノム医療を実現するため、ヘムサイトを開発した。大塚製薬と国立がん研究センターが共同設計した。厚労省から先駆け審査指定制度の対象品目に指定され、迅速に審査が行われた。
世界保健機関(WHO)などが提唱する造血器腫瘍の診断・治療指針では、ゲノム情報に基づいた診療が推奨され、ゲノム情報を用いずに適切な診断・治療を行うことが困難になりつつある。国内においても、日本血液学会から造血器腫瘍ゲノム検査ガイドラインが発行され、白血病、悪性リンパ腫、多発性骨髄腫など疾患・ステージ毎に遺伝子パネル検査推奨度が提示されている。
ヘムサイトは、同ガイドラインにある造血器腫瘍の遺伝子異常が網羅的に検査できるように設計されており、遺伝子異常による診断、治療法選択、予後予測が可能になることが期待される。共同研究コンソーシアムは、「ヘムサイトの承認により、日本国内における造血器腫瘍領域において、個別化医療が大きく進歩し、より良い医療に貢献することが期待される」としている。
なお、ヘムサイトは承認条件として、▽がんゲノム医療に関連する十分な知識及び経験を有する医師が、関連学会の最新のガイドライン等に基づく検査の対象及び時期を遵守した上で、がんゲノム医療中核拠点病院等の整備に関する指針に従い、がんゲノムプロファイリング検査に基づく診療体制が整った医療機関で本品を用いるよう、必要な措置を講ずること、▽送付された情報について、個人情報保護に対する適切な手続き及び管理を行うとともに、不正なアクセスを防止するため最新のセキュリティ及びプライバシー保護に係る対策を講ずること――の2点となる。