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沢井製薬 第二九州工場の新固形剤棟が竣工式 生産能力増強で「約80品目候補に限定出荷解除へ」

公開日時 2024/08/02 04:51
沢井製薬は8月1日、第二九州工場(福岡県飯塚市)の新固形剤棟の竣工式を行った。同社の木村元彦代表取締役社長は、「トラストファーマテックと合わせて、65億錠の生産能力の増強は目の前に迫っている」と説明。「生産能力増強を最大限活かし、沢井製薬として197品目の限定出荷品目があるが、これを積極的に解除していくことに取り組んでいきたい」と述べ、医薬品の供給不足解消に貢献する姿勢を強調した。まずは、約80品目を候補に8月、9月にかけて限定出荷を解除できないか、検討を進めているとした。

◎「チャレンジングに大型解除をする」 他社にも限定出荷解除を呼びかけ

同社は、出荷停止26 品目を含む197品目(2024 年 7 月 22 日時点)が限定出荷となっている。第二九州工場の新固形剤棟の稼働により生産余力を有することで、限定出荷の解除を検討するのは供給不足品目の約4割に該当する。

木村社長は、「今回増産体制が整ったので、この施策に踏み切る」と説明。限定出荷の解除については、「チャレンジングに、今回大型解除をしていこうと思っている」と述べた。「他社が販売を中止した品目もカバーできたらいい」と意欲を見せた。「これから一層、社員一同一丸となって、数多くの製品を本格生産に移行させ、医薬品不足を一日も早く解消し、患者様並びに医療関係者の方々のお役に立てるよう、“何よりも患者さんのために”というスローガンの下に、さらに精一杯努力していきたい」とも述べた。

一方で、10月から長期収載品の選定療養が導入されるなど、「なかなか市場の動向が読み切れない部分はある」として、「医薬品の供給問題の早期解決を目指し、今回の施策を何とか進めたいと思っているが、再度限定出荷をするという可能性もゼロではない」と説明。こうした事態が起きると市場が混乱するとして、「他社さんも一緒になって解除の方向に踏み切っていただけたら」と呼びかけた。

◎中間製品自動倉庫システム導入で搬送スピード向上

新固形剤棟は、MES(製造実行システム)やLIMS(品質管理システム・ラボラトリー情報管理システム)を採用し、信頼性を向上。中間製品の保管・搬送効率を向上させた改良型中間製品自動倉庫システムを導入するなど、効率的な生産も行えるようにした。中間製品倉庫と製造室を直結させることでダイレクト出庫を実現し、搬送スピードを向上させた。関東工場では1台呼び出すのに約5分かかるが、第二九州工場新固形剤棟では95秒と大幅に短縮。5~6台並ぶピーク時などでは関東工場では30分程度かかるが、第二九州工場新固形剤棟では10分以内との予測も紹介した。

すでに生産設備の作動確認は終えており、7月に入ってから多くの品目で原材料を使っての試製造を行っており、9月から出荷用製品の生産のトライアルも始めるとしている。24年度中の生産量の予定は3億錠で、25年度に9億錠、26年度に16億錠と増産する計画だ。生産能力も27年度には35億錠まで増強する方針。なお、同社の24年度の生産目標は177億錠。昨年度よりも自社供給は18億錠上積みする。

◎他社からの依頼の増産「いくつかの会社さんからお声がかかっている」

同社は、生産能力を活かし、医薬品の供給不足解消に向けて、他社から依頼のあった自社品目を増産する方針。木村社長は、「いくつかの会社さんからお声がかかっているが、まだ具体的にどういうふうに進めていくかはまだ何も決まっていない」と話すにとどめた。
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