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医療用アセトアミノフェン 6月に処方患者急伸、特に65歳以上で コロナワクチン接種が要因

公開日時 2021/07/30 04:50
医療用解熱鎮痛剤のアセトアミノフェンの処方患者数が急伸している。同剤の処方患者数は、2021年4月は前月比4%増、5月は前月比8%増だったが、6月は前月比38%増と患者数が大きく増えた。特に65歳以上への処方が伸びており、6月は前月比69%増だった。新型コロナのワクチン接種が65歳以上で進んでおり、接種後の熱や痛みといった副反応に対処するために同剤の処方が伸びたとみられる。

これは調剤レセプトで実際の処方動向を把握・分析するインテージリアルワールド社(旧社名:医療情報総合研究所(JMIRI))のデータによるもの。5月の医療用アセトアミノフェンの65歳以上への処方が直近5年で最多だったと既報した(記事はこちら)が、今回は6月データを分析した。

同社によると、医療用アセトアミノフェンの処方患者数(推計)は21年3月が231万人、4月は241万人、5月は261万人、6月は360万人――となった。これを65歳以上にしぼって見てみると、3月は100万人、4月は101万人、5月は116万人、6月は196万人――。全処方患者数に占める65歳以上の患者の割合は、5月までは43%前後だったが、6月は一気に54%に上がり、過半数を占めた。

6月の同剤の処方患者数を年代別にみると、20歳以上65歳未満はやや増加傾向、5歳以上20歳未満は横ばいだった。同社は、65歳以上に対する処方だけが突出して伸びていることから、「65歳以上の患者数増は、新型コロナのワクチン接種による発熱や痛みに対して処方されたものと考えて良さそうだ」と分析している。

ワクチン接種を安心して行うために解熱鎮痛剤の安定供給は重要

ワクチン接種が可能な12歳以上65歳未満の人口は高齢者の倍以上いる。高齢者よりも若年層で副反応が出やすいとの報告もある。ワクチン不足が指摘されているものの、同社は「今後もアセトアミノフェンの処方数が増えることが想定される」とし、「新型コロナウイルス収束の切り札であるワクチン接種を安心して行うためにも、解熱鎮痛剤の安定供給は重要と考える」と指摘している。
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